竣工した日本館
上海万博日本館は12月26日、敷地内で竣工式典を行なった。高橋千秋日本経済産業大臣政務官と華君鐸上海万博中国政府総代表がそれぞれ挨拶し、他の来賓とともにテープカットをした。
テープカットの様子
熊峰氏による「聯接」の書
式典では、日本館の展示の書を担当する、日本で活躍している中国の書家・熊峰氏が、日本館のテーマである「聯接」(つながり)の文字を書くパフォーマンスを行なった。この「聯接」というテーマには、豊かな意味合いがあるが、そのうち、日本と中国との「聯接」は、日本館が伝えようとする重要なメッセージの一つである。
日本館のゾーン1では、遣唐使の時代を中心に中国から日本に伝わった文化や技術が日本の中でどのように発展してきたかということを展示することになっている。塚本弘上海万博日本政府代表は、「チャイナネット」の取材に応じた際、「日本でも、中国でも、日中両国の古い時代(遣唐使の時代)からの交流を知らない若者がいる。この展示を通じて、日中の昔からの古い関係を知ってもらいたいと思っている」と語った。
ゾーン2では、日本の四季をそれぞれの特徴のある場面で再現するほか、最先端の水処理技術、排出削減技術などのエコ技術が展示され、排出ゼロの2020年の未来都市の姿を示すことになっている。塚本弘政府代表は、「これからの日本と中国の協力では、環境面の協力が非常に大事である。この分野での協力の可能性をここで示していこうと考えている」と語った。
ゾーン3では、中日協力により絶滅から救われたトキをモチーフとして、ロボットや映像などの最新技術を取り混ぜながら、ミュージカル形式のショーを上演することになっている。このミュージカルは、内容が中日の「聯接」を現すだけでなく、形式でも、中国の伝統戯曲の昆劇と日本の伝統芸能の能のコラボレーションであり、監督も出演者も、中日協力の形となっている。万博でのミュージカルの上演や、外国の監督及び出演者との共演などは、これまでの万博の日本館では見られなかったもので、最初の試みである。
日本館の展示内容のほかにも、上海万博に対する日本民間企業の示す熱意が、中国との「聯接」への重視を物語っている。日本館展示事業部の花田美香主幹は「チャイナネット」の取材に対し、「これまでの万博では、全部政府の予算で日本館を作ってきたが、今回の上海万博では、民間企業の協賛が予算の半分も占めている。中国で開催する万博ということがあって、日本企業の支援が得られたといえるでしょう」と語っている。塚本弘政府代表も、「日本企業のすぐれた環境技術にとっては大事なビジネスチャンス。上海万博は、中国という大きなマーケットに向けて、自社のポテンシャルをアピールする絶好のチャンスである」と語った。
「チャイナネット」 2009年12月27日
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