林国本
このところ、北京の新聞では、小中学生の宿題の負担が重過ぎて、毎日夜の11時頃まで勉強を続け、いつも睡眠不足、なんとかならぬものかと父兄の苦情を目にすることがある。
知人の若者たちも、子供の宿題がますます「国際化」して、自分たちの頭ではとてもアドバイスできず、それこそ親子で「悪戦苦闘」しているらしい。それを聞いて、私は自分の子供は運良く中学からドイツ語を中心に勉強する外大の付属中学に入れたので、エスカレーター式に大学卒業までごく自然に育ってくれたので、一応そういう苦学はせずに済んだ。しかし、私はジャーナリストのはしくれとして、雑学、雑読を得意としてきた人間なので、児童心理学、発達心理学の本にもかなり目を通してきた。そして、理屈の上では、子供たちには、放課後ボールを蹴ったり、釣り堀で魚を釣ったり、いろいろな体験をさせてこそ、柔軟性、協調性のある青年として生長することが可能となる、ということは知っていても、子供たちが一生はどうしても競争の中で過ごさざるを得ないという現実から、やはり子供に勉強を強いる面があったことも確かである。今でも覚えているが、世界を股にかけて活躍するビジネスマンになるには、どうしてもドイツ語以外に英語を少し勉強していることが望ましい、と一家団らんの食卓で話してきたことを今でも覚えている。