しかし、語学としての中国語の知識としては、自分が日本と関係のある仕事をしてきたので、日本びいきになっているわけではないが、やはり日本人の学問としての蓄積はすばらしいもの、ユニークなものがある、と見ている。特に日本には数千年の漢学の蓄積があることは他の国にはとうてい及ばぬことと言っても過言ではない。もちろん、ロシアやアメリカにも東洋学の分野での成果があるが、いろいろ調べてみると、やはり日本の漢学分野における蓄積は、一大山脈と言える。知人で宋史に詳しい人に、日本で買った「宋名臣言行録」を見せると、この人は大いに驚いていた。さらに、「菜根譚」という本もお見せするともっと驚き、そうか、日本人はこんなに中国のことを知っているのかとびっくりしていた。もちろん、すべての日本人がそうだということではないが、とにかく、欧米の人々、中近東の人々で、書道に詳しい人を1人も見たことがないので、中国語、中国文化について日本もたいへんユニークなものをもっていると言えよう。
「脱亜入欧」や「嫌中派」とかいうものも存在しているが、中日両国の文化交流は、いろいろ国と国の問題があっても途切れることはないと思っている。
スピーチ・コンテストの舞台に姿を現わさなくても、いろいろ中国について勉強している日本人のいることも忘れてはならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2012年9月29日