12月2日-3日、劇団文化座による新劇『天国までの百マイル』が北京で公演される。これは中国対外文化交流協会、中国対外演出公司の主催によるものであり、中日国交正常化35周年を記念し、「中日文化・スポーツ交流年」のイベントの一つでもある。
浅田次郎の同名の小説「天国までの百マイル」が原作。その粗筋は、バブル経済の時代に、数億円の資金を持ち、毎日銀座に出入りしていた安男という男性が、バブル経済の崩壊によって、会社もお金も全て失い、妻や子供と別れてしまう。その後バーで働くマリーという女性が安男さんの面倒を見ていた。その時、一人で四人の子供を育ててきた母親が心臓病で入院したが、兄弟も東京の名医も母親を救うことをあきらめた。しかし、安男は奇跡を信じ、ワゴン車で母親を連れて東京から百マイルもある、天才心臓外科医のいる鴨浦のサインマリア病院に行く、というもの。
劇団文化座の佐々木愛代表は、「周知のように、日本は小さい島国で、経済高度成長時代を経験した。しかし、さまざまな面で問題があり、実際にはほとんどの日本人が不安の中で暮らしている。中国人にも日本人にも年寄りを尊敬するという美徳がある。この公演を通して中国の人々により多く日本を知ってもらいたい」と語った。
「安男とマリーの愛情、そして、安男と母親の親子愛に大変感動した」と劇を見ながら涙をこぼした観客が多かった。「言葉は通じないが、この新劇を見て、親孝行などの面で、日本は中国とそれほど変わらないような気がした」という観客の声があった。
『天国までの百マイル』は、北京に続き、12月6日から10日にかけて黒竜江省のハルビン市とジャムス市で公演されることになっている。
今年は「中日文化・スポーツ交流年」にあたり、3月に劇団銅鑼による『杉原千畝物語――命のビザ』、9月に劇団青年座による『ブンナよ、木からおりてこい』など、日本の新劇の中国公演が行われている。
「チャイナネット」2007年12月3日