「秒速5センチメートル」 |
★新海誠監督(40歳)
代表作:「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」
新海誠監督の作品は、いつも淡々とした憂いに満ちている。キャラクターの細やかな秘められた情感を描くことがうまく、心の声のひとりごとがよく使われる。自然の描写や暮らしぶりなども細かく観察され、想像されている。新海監督は自然の描写を使って意味を伝えたり、感情を作り出したりすることに長けている。例えば「言の葉の庭」という作品では雨のシーンが全体の80%を占めているし、「秒速5センチメートル」という作品には同様に桜、雪、空などが散りばめられている。極めて光と色の使い方に気が使われていて、モヤや夕日、午後の木漏れ日などの豊富なバリエーションを持つ自然光、明かりのデザインも同様にシーンやキャラクターの感情に必要で、様々な変化を見せる。こうしたすべてのモチーフがまとまって映像に視覚的効果を与える。彼の作品の一つ一つのシーンは、壁紙にできるほどだという人もいる。