国際連合環境計画(United Nations Environment Programme UNEP)は、2010年上海万博の開幕まで残り256日となった8月18日、『中国2010年上海万博の環境評価報告』を発表した。国連副事務長と国際連合環境計画の執行主任を務めるアヒム・スタイナー氏は、「上海市はここ10年近く、主に万博開催を原動力とし、汚染抑制などの環境保護活動において非常に良好な成果を収めている。上海市は私たちにエコにあふれた未来を体験させてくれる」と語った。
『中国2010年上海万博の環境評価報告』は、ここ数年の上海市の大気の質、交通、エネルギー、固体廃棄物、水、緑化・環境保護区域、カーボンニュートラル、万博エリア、公衆の参加など9つの環境保護を中心とする活動を集計した。
大気汚染の抑制を例に挙げると、1997年から2008年にかけ、上海市はすべての5975台の石炭焚きボイラに対しクリーンエネルギーへの改造を行い、市内の環線以内666平方メートル区域内での石炭燃焼ゼロ化を実現させた。また、2005年から2009年上半期にかけ、上海市のすべての1000万キロワットを超える石炭焚きユニットで脱硫施設の建設を行った。また、万博エリア内の南市発電所や周辺の呉涇火力発電所の2基のユニットを含む計70万キロワットの石炭焚きユニットと石油ユニットの稼動を停止した。
2008年、上海市で大気の質が優良な日は328日に達し、優良率は89.6%だった。そのうち、大気の質が1級の「優」だった日は101日で、5年前の60日より68%増加した。
交通分野においては、上海市は1990年代末から軌道系交通システムの発展を開始し、20年以内、つまり万博開幕前に400キロメートル超の軌道系交通システムの完成を見込んでいた。アヒム・スタイナー氏はこの努力を「エコ交通の模範」と称え、「今までこれほどの速度でこのような大きな成果を収めた国はなかった。上海市の『公共交通優先』の都市管理理念は全世界で普及させる価値がある」と語った。
また、報告によると、2000年に上海世界博覧会申辧委員会が発足してから、上海は環境保護への資金投下を絶えず増やしている。2009年、上海市の環境保護への投資額はすでに420億元(約60億ドル)に達し、2000年の3倍となった。
アヒム・スタイナー氏は、中国が上海万博の準備で費やした環境保護面での努力は、7000万人の来場者のためとなるだけでなく、上海の約2000万人の市民たちにエコ資産を残すことにもなると述べた。
「チャイナネット」 2009年8月20日