国務院報道弁公室が9日に行った記者会見において、環境保護部・国家統計局・農業部が共同で「第一次全国汚染源調査公報」を発表した。中国が環境に関する全国調査を行ったのは今回が初めて。「新京報」が10日に伝えた。
▽汚染物排出はすでにピークを過ぎた可能性も
記者会見では、「中国の汚染物排出がピークに達するのはいつか?」との質問が記者から投げかけられた。一般的には、経済が一定のレベルまで発展すると、汚染もピークに達し、その後汚染は減少していく。
環境保護部の張力軍副部長はこれについて、「先進国の経験から見ると、汚染は1人あたりGDPが8千ドルに達したころにピークに達し、その後減少していく。一方で、中国は先進国の経済発展とは違った発展路線を歩んでいるため、1人あたりGDPが3千ドルに達したころ、汚染がピークに達し、その後減少していくとみられる」と述べる。
張副部長はまた、「中国は『第11次五カ年計画(2006-2010年)』期間中、主要汚染物質の排出削減を「約束性指標(ノルマの意)」として、汚染物質の排出を効果的に抑制し、環境を改善している。また、『第12次五カ年計画』期間中も引き続き主要汚染物質を抑制する計画を実施するとともに、主要汚染物質の種類を拡大することにより、中国は1人あたりGDPが3千ドル未満であっても、経済発展と環境保護の協調を実現できる可能性がある。つまり、1人当たりGDPが3千ドル未満で汚染がピークに達し、その後次第に環境が改善していくということだ」と説明する。
▽自動車の排気、都市への汚染大
張副部長は今回の調査状況を分析し、「全国調査の結果から反映された環境問題を見ると、▽工業汚染が際立っている▽汚染が少数の業界に集中している▽経済が発達した地域の汚染物質排出量が多い--など、すでに熟知されている状況が明らかとなっただけでなく、調査によって明らかになった問題もあった。例えば、▽農業源が水質汚染に対し大きな影響をもたらすこと▽自動車の排気が都市の大気汚染に対して大きな影響をもたらすこと▽汚泥や廃水の無害化処理率が低いこと▽固体廃棄物の量が多いこと--などだ」と総括した。
「人民網日本語版」2010年2月11日