筆者の石雪蓮さん(左から1番目)
親切な中国語通訳者の靖子さん——流暢な中国語を話す彼女は、中国に特別な思いを持ち、その笑顔は誰よりも輝いていた。訪日4日目、私は日本の水に合わなかったせいか、突然胃痛に襲われた。他の人に迷惑をかけたくなったので、我慢し通すつもりでいたが、思いの外ひどくなり、胃の差し込むような痛みで全身冷や汗をかいただけでなく、嘔吐してしまった。具合の悪い私に気づいた靖子さんは非常に気を揉み、私のために絶えず温かいお湯を用意し、薬を探してくれたほか、幾度も私に「我慢できますか」と尋ね、「我慢できない場合は、今日の活動には参加せず、あなたのお世話をしますよ」と言ってくれた。こうした行動は靖子さんにとってやらなければならない仕事の一部かもしれないが、中国人学生の目には全てが温かさに満ちた心遣いに映った。この時、靖子さんが私にかけてくれた言葉は国籍の違いを越え、靖子さんと私の間には地域的な境界線は存在せず、お互いの心がしっかりとつながっていた。靖子さんと出会い、ごくありふれた人でも中日友好のために力を尽くすことができると知った。必要なのは1つの笑顔、1つの行為、1つのとてもありふれた言葉だけかもしれない‥‥‥。
“Everyone is a leader.” 今回の日本訪問で多くの友達を作ったほか、水資源に関する更に多くの知識を得ると同時に、自分自身が果たすべき責任についてより深く意識することができた。水文地理学者の推算によると、地球上の水資源総量は約13.8億立方キロメートルで、このうち海水が97.5%を(13.45億立方キロメートル)占めている。淡水は2.5%を占めるにすぎず、このうち大部分は南極と北極の氷、雪、および地下水として存在しており、人類が利用できるのはわずか0.01%しかない。このほかに、水資源の不均一な分布が、人類の直面するもう1つの重大な問題となっているという。
水なしでは、世界中で農業を営むことができず、人類は穀物を収穫することもできなくなる。水なしでは、世界中でエネルギー源がなくなり、水力発電を行うことができず、経済コストが高くなる。水なしでは、世界中で文化が衰退し、茶道のような芸術文化が失われてしまう。全て「水なしでは生命は維持できず、人間は再び存在することができない」という結論に行き着く。こうした状況に直面する中で、私たちができることは、まず自ら節水に取り組み、周囲の人にも共に行動を起こすよう呼びかけることだと感じた。
“Everyone is a leader.”この言葉を覚えてほしい。私たちは異なる国で暮らし、異なる言語を使い、異なる生活スタイルを持っていても、私たちには共に暮らす家がある。つまりそれは私たちの地球だ。だから、私たちは一人一人地球を守る義務を持っている。
「この世に終わらぬ宴席はない」と言われるように、交流活動が終了し、私たちはそれぞれ元の生活に戻った。しかし、その時からいくつかの変化が起こっていた。私たちはいくつかのやるべきことに取り組み始めたからだ。また、日本で結ばれた友情は永遠に変わることはないだろう。私は39人との偽りのない友情を心の奥に大事に仕舞い込んだ。先頭に立って役割を果たし、5年あるいは10年後に再会するという私たちの約束を忘れないでほしい。
「チャイナネット」 2009年10月