モラルは発生するものではなく、創られるものだ

タグ: 毒ギョーザ 貿易 経済学品質 チェック機関

発信時間: 2010-04-01 13:39:01 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

ここで問題となるのは、価格決定メカニズムが非常に情報非対称におこなわれているということです。つまり、一国内であれば、甲工場、乙工場、丙工場での製品について、おなじ産業内、同じ法令内、同じような人事制度、同じような一国の文化内での、価格決定メカニズムでの差異ですから、高価格のものは品質が高く、低価格のものは品質が一般的になりがちであります。一方で、多国間取引になると、これが、ほぼ通用しない。「常識」が通用しない範囲・要素が絡んで価格が決定されるわけですね。

今回の毒入りギョーザ事件、そうしたマクロ的問題が関わっていることも否定出来ないかもしれません。たとえば、そうした、人事トラブルの原因がありそれが従業員の反感を買い、安全管理のコスト節約により、冷凍餃子の価格が決定されているとしたら、安全性プレミアムのマイナス方向への要素としての価格が差し引かれていたはずです。俗に言う、「安全を買う」というもので、いいかえれば、「安全性を低下(増加)させていけば安く(高く)なっていく」ということですね。

重要なことは、当該取引の製造販売企業(メーカー)、購入企業(ディストリビューター)が、どういうモラルをもっているかというものではなく(原理的に利潤追求システムとしての組織が、社会モラルを無視し隠蔽することは、暴露による倫理的マーケティング損失を差っ引けば合理的な行動なので)、二国の政府(社会モラル最大化を是とする妥協解のメカニズム的組織として)が協力して販売国の市民に、品質(安全性含む)と価格を公開できるシステムをつくるかということでしょう。

往々にして、多国間の個別の企業行動(取引)のほうが、政府協力(取引)よりも早いため、この情報を市民に公開するシステムは、後追いになってしまいますね。

食品だけに関わらず、税関での各国の受動的な品質チェックは陳腐化した政府規制システムとしかいえません。超政府の品質チェック機関も次第にでてきていますが、真に実行力をもつ対民品質検査機関が国際的に枠組みがなされるのは、いつになりましょうか。

それまでは、市民は、同国内製品よりも遥かに厳しい目をもって、他国製品をみなければならなそうですね。

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さてさて、冒頭で書きました映画のお話・・・

この記事を書いています本日は4月1日、そうですエイプリルフール(愚人節)です!! 僕はドキュメンタリー映画はとったことありません!というか映画の撮影の経験はありませんよ!冒頭は「なんちゃって映画評論」みたいにしてみました。みなさん騙されていただけましたか??(笑

(中川幸司 アジア経営戦略研究所上席コンサルティング研究員)

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「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年4月1日

 

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