ホンダ自動車の広東仏山にある部品工場で、従業員が待遇不満を理由に5月17日からストライキを行っている
ホンダの労使紛争の問題が報道で大きく取り上げられていますね。ホンダは企業規模として、中国内でも、グローバルにも大きな生産者ですから、社会に与えるインパクトも大きいためにニュース性がありますよね。今回のストライキの理由はホンダのスポークスマンによれば、「労使間の話し合いがすすまず・・・」とのことですが、これだけの大規模(最終生産物の生産がほとんどストップするほどの)なストライキの原因は究明してみたくあります。
そもそも、中国の経済改革開放前においては、原則的にそして、国家の主義の本質から「ストライキ」というものは、存在することがありませんでした。しかし、市場主義経済導入の功罪のうち、「罪」にあたる部分として避けて通れない社会のコストとして、この労使間の「紛争協議」は代表的なものであるといえるでしょう。
ホンダの例をみれば、おそらくホンダは日系企業ですから(ジョイントベンチャーである子会社であっても)、日本での蓄積されたノウハウから、その労使紛争に関しての調整能力は企業として少なからず有しているはずです。しかし、「ヒト:Human」という資源については、国によって文化的影響をうけるため、各国によってまったく異なるものであるといえます。さらに、労使紛争に関する制度も、政治的イデオロギーから各国で異なるため、企業にとっては外部環境も国によって千差万別です。このように、「内なる資源」そして「外部環境」の国特有の状況から、Human Resource Management(人的資源管理)については、もはや、グローバル化した企業にとって、母国で培ったノウハウを適用することはほぼ不可能なほどの状況となると思います(あらゆる外部環境を想定した人的資源管理はStrategic HRMなどとよばれます。)。