企業内部要因としては、
1)カルフールフランス本社意思決定として利潤追求のため懲罰にあたる程度を計算しながら詐欺行為を容認していた。または、2)カルフールフランス本社の意思決定とは関係なく、高度な現地化のために現場マネージャー(またはどこかの中間階層)の詐欺行為を本社が認識できなかった。
企業外部要因(産業レベル)としては、
1)中国内スーパー業界構造として競合他社も含めある程度の詐欺行為が利潤追求のためのスタンダードであった(とくにこれは、経営学では善悪に関わらず模倣的同一性といいます)。または2)当該業界には当該詐欺行為は殆ど無かった(カルフールのみが詐欺行為を犯した)。
企業外部要因(国家政策レベル)としては、
1)中国政府は今回初めて何らかの手法によりその詐欺行為を知ったため規制・注意勧告をだした。または、2)中国政府はこれまでもその詐欺行為を知っていたが何らかの目的により規制をしなかった、しかし今回何らかの「意思の変化」により規制・注意勧告を出すに至った(そもそも、こういった価格に関することはマーケティング手法に近く、言わば国家がどの程度関与するかについてグレーゾーンであります。)。
このような条件分岐になると思われます。以上の「場合分け」からの「組み合わせ」は多いわけですが、やはり興味深い点としては、中国特有の事情、中国特有のシナリオが会った場合になってくるでしょうね。
この「特有の事情」、とくに多国籍企業に関するビジネス用語などで「チャイナリスク」と称されるものの大きな要因であります。中国の場合には政府規制が強くあり、政府の意向が色濃く反映されるというものです。もちろん、外資企業はそうした「チャイナリスク」を知らずに中国にやってきている訳はなく、中国市場(からの利潤追求)を求めるためにその「チャイナリスク」があることを前提に中国市場に参入しているので、計算のうえである、ということもできますが、リスクはリスクであって、できれば避けたかったマイナスをもたらすこともありえます。