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青島日本人会長 金融危機中の青島日系企業の現状
発信時間: 2009-06-25 | チャイナネット

日本と海を隔てる山東省青島市は、日系企業が集中する場所の一つでもある。繊維、食品、電機、機械、流通などの業種の500社余りが集まっており、そのうちの8割が輸出向けである。金融危機の影響がまだ収束していない今、こうした企業の経営状況はどうだろうか。「チャイナネット」の記者が、青島日本人会の飛坂有三会長と青島ジェトロの北条尚子所長の話を伺った。

 

「撤退したケースはあるが、夜逃げはない」

金融危機による日系企業への影響について、飛坂会長は、「金融危機の中で、青島にある日系企業も確かに楽ではありません。日系進出の中心となっている食品とアパレル産業へのインパクトは、耐久消費財産業等に比較すればそれほど大きくないかも知れませんが、今はあらゆる産業にとって非常に厳しい時期なので、当地の日系企業も大変です。日系企業の撤退は確かにいくつかありますが、夜逃げは聞いた事がありません」と話した。北条所長も、「撤退の方法について、ジェトロに相談に来る企業もあります。これらの企業は、大抵中国側に譲渡するか、或いは他の企業に持分を売却するなど、法律を守って撤退しています」と語った。

 

企業撤退の背後にある深い原因

飛坂会長は、企業の撤退には金融危機の影響のほかに、さらに深い原因があると考えている。それは中国の急速な経済成長とともに、中日間の経済貿易のパターンに徐々に変化が生じてきたことである。数年前、中国の安い人件費という要素価格を中心としたコスト面での競争力の活用を目指し、技術や資金を中国に持ち込み工場を建設し、製造や組み立てをしてきた日本企業は、ここ数年のコスト上昇と中国企業の成長を受け、自ら合弁企業を作るより生産を中国の企業に全て任せ、外部調達したほうがより経済的だと考えるようになった。飛坂会長は、「日本企業は今後、中国で新しいビジネスパターンも作って行くでしょう。つまり、日本で経営すると同じように物を売り、部品を調達し、いろいろな機能を中国に持ち込むというやり方です」と将来の中日間の「新ビジネス」の形を予測した。また、中日間の分業の形態は、これまでの「垂直的分業」中心から「水平的分業」が拡大すると会長は見ている。「『垂直的分業』とは、例を挙げれば、資本・技術集約的な部品等を日本で生産し、これを中国で組み立てるといったやり方で、『水平的分業』とは、日本と中国でそれぞれが最適な生産プロセスを担うという水平的な分業の方法です。これから様々な新しい投資や取引が生まれるでしょう。世界経済がどんどん同質化に向っており、労働集約型のものを日本で、資本集約型のものを中国で生産することもあり得ます。いろいろなものが今までと違うスピードで動いているため、昔のままのイメージで経済貿易政策を決めては、かえって失敗してしまうかもしれません。経済貿易政策の運営はますます多角的な対応が要求されるでしょう」と語った。

 

日系企業の東南アジアへの移転について

最近、工場を中国から東南アジアへ移転する日系企業があるそうだが、これについて飛坂会長は、「東南アジアに大きな生産拠点を持っており、中国での生産拠点が小さく業務が減ったため、小さい工場を閉鎖し、大きい方に集約した日系企業があると聞いた事はある」とした。また、東南アジアと中国の投資環境の違いについて飛坂会長は、「東南アジアの一部の国での人件費は、中国より低いけれど、部品などを作る地元企業が不足している場合が多い為、日系企業が自ら工場を作って生産しなければならない場合があります。これに対し、中国ではかなり高度な国内の産業チェーンが出来上がっており、日系企業が自ら原料・部品工場を作らなくても国産の良品質の原料・部品調達が可能なケースも多く、便利な事も多いでしょう。」と話した。

 

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