米戦略がトヨタのリコールを操る?
品質問題による自動車のリコールは世界の自動車産業ではありふれたことだが、今回のトヨタのリコール問題はますます激化の様相を呈している。この一連の動きの背景には、この機会を利用して世界の自動車市場で首位のシェアを占めるトヨタを攻撃して抑え、金融危機で大きな影響を受けた自国の自動車産業や経済回復の障害を取り除く米国の打算があるという世論の考えもある。
張教授は、「こうした推測は理由がないわけではない。米国経済が困難な今、このような考えを人々が抱くのも仕方がない。しかも米国の一連の振る舞いは、すでに普通のリコールの処理方法を超えている。客観的に言えば、今回のリコール問題に対する米国の強硬な態度は、金融危機や経済危機、自動車産業の危機の脱却に確かに有利であり、少なくとも米国の自動車産業がトヨタが占める米国市場を取り戻すことには有利である。それ以外にも米国の世界的な戦略から見ると、こうした行動は日本の自動車産業や製造業を抑え、日本経済の迅速な回復を抑制することにも役立つ」と分析。
そして「米国がこれほど大騒ぎするのは、トヨタの品質問題で米国民が死傷した事実の上に立ってのことだということは否定できないが、もし米国政府や国会が引き続き、国民の利益を守るのが自分たちの最高の使命だとしてリコール問題をとことん追究するならば、トヨタもなすすべがないだろう」と考えている。