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第1回 堺屋太一代表、金融危機の中の上海万博を語る
発信時間: 2009-03-12 | チャイナネット

2、展示館建設型万博は10年に一度の世界行事

堺屋太一代表は、大阪万博の開催を提唱し、当時、日本の人口の7割に当る6421 万人を動員して万博を成功させた。また1992年のセルビア万博日本政府館の総合プロデューサーも担当している。今回の上海万博の基本状況について、堺屋代表は次のように語る。

「万博(EXPO)といわれるものにはいくつかの種類がありますが、その中で最大なのが、展示館建設型と出展各国が原則として自らの負担で展示館を作る万国博覧会です。この他には、主催者が各国の展示館を用意するもの、出展各国が内部の展示のみを行うもの、展示館貸与型、特定の分野に限った展示の特別な万博などもあります」

「2005年に行われた愛知万博は、展示館貸与型といわれる小型の万博でした。2010年の上海万博は展示館建設型です。このタイプの万博は、第二次大戦後の1958年に開催されたブリュッセル万博、1970年の大阪万博など5回しかなく、上海は戦後6番目です。日本でも、特に若者は、万博といえばすぐ愛知万博を思い浮かべますが、展示館建設型は展示館貸与型の規模をはるかに超えています」

「上海万博は、7000万人以上の観客が見込まれている史上最大の国際行事で、会場は上海市中心部に近い黄浦江の両岸約328ヘクタール(有料会場面積)、1970年の大阪万博(180ヘクタール)や愛知万博(173ヘクタール)をはるかに上回る規模です」

日本産業館の効果図を説明する堺屋代表(3月9日撮影)

3、日本産業館出展リストには、なぜ中国でよく知られている企業がないのか

日本産業館出展の企業リストには、トヨタやソニーのような中国でよく知られている企業の名前が見られないが、堺屋代表はこう説明する。

「グローバルスポンサーに上海汽車とシーメンスが入っているので、競合しないほうがいいと思い、日本産業館には自動車と電機メーカーは参加していません。中国の人によく知られているのは自動車や電機メーカーですから、出展企業の中には名前を知らない会社もあると思います。しかし今回の出展企業は、売上高4000億円から1兆円で、技術開発や社会貢献を熱心に行っている日本の企業です」

企業にとって万博出展は膨大な費用がかかるが、一体企業にとっては何のメリットがあるのだろうか。

「まずは社会貢献。つまり上海の人々を楽しませることです。次は新しい技術、新しいやり方でやるということで、技術の開発になり、思想や美意識でのイノベーションにつながります。三番目は、企業が万博に出ることは業界を代表することです。そして世界に向かって企業の『旗を立てる』ことになり、存在感を高めます。日本産業館は1分野1社ですから、日本産業の代表選手として出展するわけです。四番目は従業員の志気を高めることができます」

「日本の企業は米国の企業と違い、従業員から社長さんまで、みんながまとまって一つの家族のような文化です。きめの細かい人間的な企業という点を見せたいのです」と、上海万博は中国で日本の民間企業の文化をPRするチャンスでもある。

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