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第7回 道上公使インタビュー:中日関係の現在と課題
発信時間: 2009-11-11 | チャイナネット

在中国日本大使館の道上尚史公使は駐在中の約2年間で、中日関係の様々な面での変化を身をもって経験し、5千人の中国の青少年に語りかけ、メディアとの交流も豊富である。帰国にあたり、道上公使は「チャイナネット」の独占インタビューに応じ、中日関係の変化、経済や環境・省エネに対する日本の取り組みと中日協力、中国の若者やメディアとの交流等について語った。

在中国日本大使館の道上尚史公使

(一)中日関係の現在と今後の課題

 

――道上公使が2007年4月から在中国日本大使館で公使を務め2年以上が経ちますが、この2年間の中日関係の変化をどう捉えていますか。

私は、日中関係がよくなりつつある時期に中国に来ました。2007年は日中文化・スポーツ交流年で、2008年は北京オリンピックもあり、青少年友好交流年でもありました。双方の首脳が日中関係を重視し、改善に力を入れ、各方面の交流が活発化しました。

2007年春までは、「氷を砕く」、「春を迎える」等の表現を使いましたが、今では季節にたとえていう必要もないくらいになりました。首脳交流や政府の協議ばかりでなく、文化交流、青年交流、地方交流、大学、学術やメデイアの交流などが多方面で進んでいます。日中戦略互恵関係は基盤ができ、具体化しています。

二つの大きな国ですから、何かの懸案や課題はあるのが自然です。ただ、それが両国関係の根本を揺らがせないことが重要であり、その基礎は築かれてきたと思っています。

 

――地方の交流、大学交流について具体的に紹介してもらえますか?

これまで日中の交流イベントは北京、上海、天津等沿海部の大都市が多かったのですが、この2年間、内陸部例えば武漢や西安で、文化面とビジネス面の交流を総合した「ジャパン・ウィーク」が実現し、この秋にも長沙で計画されています。私も地方都市を訪れますが、日本語教育は、ビジネスや留学とも結びついて、熱が入っており、「うちの大学の日本語学科はこんなに優秀だ」「日本企業、日本人との交流がもっとほしい」という声が多く、ありがたいです。

日本の著名な大学の学長一行が、留学生募集や学術交流のため、ずいぶん多く北京に来られます。優秀な中国の学生にもっと留学に来てほしいという大学が多いですよ。この4月、清華大には「日本研究センター」が設立されました。理工系でも法学部でも、日本で学んだ、日本と研究交流があるという先生方は少なくないのですが、もっと増えてほしいですね。

 

――中日指導者の相互訪問が頻繁になり、両国関係は安定してきている状況ですが、中日関係においてまだ残された課題はありますか。

率直に言えば、一般国民の相互理解をもっと深めたいです。青少年交流で初めて日本に行くと、「軍国主義のこわい日本と思ったが、実際は全く違った。こんなにいい国なんだ」との印象。中国に初めて来た日本の若者は、中国の発展振りやたくましいエネルギーに感心する。これは即ち、日本(中国)に否定的なイメージが強かったということです。批判も結構なのですが、等身大の姿をしっかりとらえてほしいですね。

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