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第7回 道上公使インタビュー:中日関係の現在と課題
発信時間: 2009-11-11 | チャイナネット

(六)中国で印象深かったこと

 ――北京は昨年オリンピックを開催し、都市の建設など様々な面で変化が起こりましたが、この2年間で、特に印象深かったことはありますか。

オリンピックを契機に北京に花や緑が増えましたね。オリンピックのマラソン中継を見て、普段住んでいる北京ですが、緑が多く美しい町だなと思いました。学生ボランテイアを含めた組織力、動員力にも敬意を表します。

印象深いことは二つあります。一つは昨年の四川大地震の時、日本の緊急援助隊が、被災者のご遺体の前で整列した様子がネットや新聞で評判になった。「今まで日本が嫌いだったけど、テレビで、日本の緊急援助隊が真っ先に駆けつけ、早く救出したい一切の労苦を惜しまないと語るのを見て感動した。ありがとう」と、中国の一般の方から大使館にも電話がありました。

二つ目は、昨年3月、日中青少年友好交流年開幕式に、胡錦涛国家主席が出席された時の人民大学の会場のどよめきです。全人代開会中の忙しい時期、午前中に国家主席に再選されたその足で会場に駆けつけてくれました。主席がいかに日中青少年交流を重視しているか、日中皆よくわかったと思います。

 

――仕事以外に趣味はありますか、週末はどう過ごしましたか。

スポーツと文化は元々好きです。中国の映画をできるだけ見るようにし、映画館に30回は行ったと思います。文化と言葉の勉強にもなります。中国映画史上最高のヒット作、馮小剛監督の「非誠勿擾」は、北海道の美しい風景と日本人の人情を描き、北海道観光のブームを呼び起こしてくれ、大変ありがたいです。この4月中国を訪問された麻生総理は、馮監督や俳優さんと懇談しました。「戦場のレクイエム」、「レッドクリフ」、「南京!南京!」「高考(大学入試)1978」も見ました。

 

(七)日本帰国前にメッセージ

 

――中国駐在の2年間で、ご自身で、できたこと、できなかったことは何でしょうか。

中国の公務員だけでなく、メディア、文化人、大学の先生、学生さん等色々な分野の方と交流ができたのは、本当に嬉しいことでした。

北京が忙しかったため、地方にあまり行けなかったのが残念です。武漢、西安、長春、長沙、天津には行きましたが、遠いところを含めもっと地方に足を伸ばしたかったです。

 

――帰国されるにあたり、「チャイナネット」を通じて中国のネット利用者、とくに若い世代にどんなメッセージを伝えたいですか。

観光でも留学でもいいから、日本にぜひ来て、日本を見てください!

日本語を勉強している方にもそうでない方にも、ぜひ本当の日本を知ってもらいたいです。日本にも課題があるし、立派な人もそうでない人もいますが、中国の多くの方の想像より、良い面が多いはずです。留学について、中国の若者は全体的に欧米志向が強いのですが、もう少し日本に目を向けていただければと思います。

最後に、日中関係等国と国の関係は、人間関係と同じで、相互理解を深めるしかないと感じました。「あなたは私を十分わかっていない」との指摘や説明は重要で、もっとやればいい。ただ、自分も相手をよく知らなかったり、偏見を持ったりということがあるわけです。相手も自分も向上するというのが最善の道だし、長期的にはそれしかないでしょうね。

「チャイナネット」 2009年7月21日

 

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