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第1回 堺屋太一代表、金融危機の中の上海万博を語る
発信時間: 2009-03-12 | チャイナネット

4、開催都市の上海にとって万博とは

2010年5月1日より10月末まで開催される上海万博。開催都市の上海にはどんな変化をもたらすのだろうか。堺屋代表はこう読み解く。

「まず万博は、文化と経済、私たちの生活に大きな影響を及ぼします。1970年に開催された大阪の日本万国博覧会を例とすると、動く歩道、ワイヤレスフォン、缶コーヒー、ファーストフードなどは、この万博で登場し、その後、私たちの生活に普及しました。またリニアモーターカー、テレビ電話、電気自動車なども登場しましたが、いまだ普及途上にあると言えます」

「開催都市にとっては、考えも及ばない発展を意味すると思います。大阪でも名古屋でもその後の約10年は発展しました。パリとシカゴは輝かしい文化を創った例です。パリでは4回も万博が開かれましたが、ヨーロッパで一番文化の多い都市となりました。それまではむしろ文化と言えばウィーンでしたから」

「2010年以降、うまくいけば上海は世界の文化の中心になると思います。デザイナーたちもそう信じています。都市に地下鉄ができるとか、ビルが建てられるとかは小さなことで、大きな文化の発展や情報発信の意味では、ずっと歴史に残る大きな出来事になるでしょう」

 

5、中国に影響を与えるオリンピックと万博

昨年8月に北京で開催されたオリンピックの興奮や感動は、中国の人たちにとってまだ新鮮な記憶として残っている。そんな中で上海万博は来年の開催だ。

「上海万博は、目標入場者数7000万人という大規模な国際行事で、実際の入場者数は1億3000万人ほどになるでしょう。北京オリンピックの入場者数は約800万人。その他の人たちはテレビでオリンピックを見ていました。しかし実感するのと映像で見るのとではずいぶん違います」

「NHK は以前、20世紀で一番印象に残った行事は何かというアンケートをしたことがありますが、40%以上が大阪万博を選び、東京オリンピックを選んだ人は2割しかいなかった。だから上海万博が終われば、中国の人々にとって一番心に残る行事は万博だと思います。事業規模や社会的影響も、北京オリンピックをはるかに上回ります」

「チャイナネット」2009年3月12日

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