塚本弘氏（1968年3月京都大学法学部卒、2003年10月日本貿易進行機構副理事長に就任、愛知万博に携わった経験をもつ）。

　日本展示エリア政府代表の塚本弘氏がこのほど、上海国際博覧会指導委員会連席会議の議長に選出された。「万博日報」は塚本氏をインタビューし、愛知万博に携わった塚本氏から日本の万博主催経験とともに、日本の出展側の上海万博に対する見方と希望を聞いた。東方早報が伝えた。

　▽愛知万博

　----連席会議の議長に選出された理由は何だと思いますか？

　2005年に日本が主催した愛知万博は大きな成功を収めました。上海万博局の洪浩局長はわたしに「連席会議の議長に日本代表が最も適任の理由は愛知万博が非常に成功したからです。上海万博も同じように成功させるため、愛知万博で培った豊富な経験を必ず活用していただきたい。他の国の代表は愛知万博に対してそう深く理解していないかもしれませんが、わたしは愛知万博のときに日本貿易振興機構（JETRO）の一員として、愛知万博の仕事に少し携わり、会場にも幾度となく足を運びました。私の経験も、日本の経験もすべて上海万博に充分生かせます」といわれました。

　----他の国の代表とどのように協力するつもりですか？

　今回の指導委員会は32カ国の総代表からなり、これまでで最も規模の大きい万博指導委員会です。こんなに大きな規模で、こんなに多くの国の代表が集まっています。とても底力を感じる反面、人が多くなればさまざまな意見が出ますから、こういった意見をまとめるのは非常に難しいでしょう。ですので、アジアの日本以外のヨーロッパ、アフリカ、アメリカから3人の副議長を選びました。こういった形で各方面の意見をまとめ、調整していくつもりです。

　----万博まであと6カ月となりました。指導委員会が今最もしなければならないことは何ですか？

　まず、万博が開幕する2010年5月1日の期限までに、すべての準備を滞りなく済ませることが非常に重要です。準備というのは、建物の準備も含みますが、もっと重要なのは内部の展示内容であったり、会期中のさまざまなイベントです。上海万博局は、会期中に2万回のイベントを開催すると発表しました。このイベントの準備に必要な作業は膨大で、しかも相当複雑です。私たちの任務のひとつは、すべてのイベントの準備を開幕前にすべて完了することです。

　ほかにも上海万博は史上最大の万博で、来場者は7000万人に上る見込みです。しかも万博の大部分の時間は上海の夏場です。7000万人に安全で快適に参観してもらうためには、会場の空調システムや飲み水の供給などが非常に重要になってきますが、こういった面でも愛知万博は豊富な経験があります。3人の副議長と、愛知の経験に立脚してさまざまな協議を重ねていくつもりです。