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まほらまの南京生活⑪宣戦布告なき交通戦争
発信時間: 2010-02-21 | チャイナネット

◇交通戦争ピーク時と現在の中国状況◇

中国は日本に比べて人口が10倍、国土面積は26倍もある。だからといって、年間の交通死者が日本の15倍あってもいいということにはならない。

日本の交通死者数が半世紀前の状況に減少しているのに対して、中国の現在の社会は、日本の交通戦争がピークになった時とあまりに酷似しているように思う。このままでは、日本の交通戦争が、中国で再現されるのではないか。

東京オリンピックと北京オリンピック、大阪万博と上海万博。年平均10%前後の成長となった日本の高度経済成長政策。世界の経済をリードし急成長を遂げている現在の中国経済。このような状況下で、中国が世界一の自動車王国となり、このままモータリゼーションに突入したのでは、交通事故死も世界一を保持することが憂慮される。

中国で発生する交通事故の主な要因は、運転手も歩行者も交通ルールをまったく無視しているからだ。運転手は歩行者を無視し、歩行者は車を無視している。「歩行者優先」という標識があることはある。しかし、中国では“勇気あるもの”が優先者だといわれている。人や車を無視して先に出た方が優先となるのだ。一歩間違えれば、自分の命と引き換えの優先権である。

◇道路の歩き方もルールを無視◇

交通ルールを無視するのは、車を運転しているときだけではない。道路を歩いている時から無視している。大学構内の道路を歩く時、5、6人が横一列になって話しながら歩いている。それが2組いると、10人前後が横になって道路を歩くことになる。自転車で追い越そうとしてベルを鳴らしても、一向に避ける様子はない。やむなく横一列の右端を追い越そうとすると、突然このグループが道路右側によってきて右折する。他の通行する車や人など周囲には一切構わず、自分たちだけの都合で歩いている。この思考は車で高速道路を走るときも同じである。どんなに車が渋滞しても、少しでも隙間があれば我先に車を進めて行く。タクシーでもスクールバスも同じである。「あっ、危ない!」と、私はその度に思わず声をあげ、はらはらしながら乗っている。これまで大きな事故に遭っていないのは奇跡的といえるかもしれない。

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