米フォーブス誌がこのほど、2010年版世界長者番付を公表したが、その中には新たな顔ぶれが見られた。うち、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)「フェイスブック(Facebook)」の創業者マーク・ザッカーバーグ氏(25)が純資産額40億ドル(約3698億円)で世界長者番付212位にランクイン、世界最年少長者番付では1位に立った。「世界で最も若い10人の億万長者」は以下の通り。うち、2人は中国人。
1位は、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)「フェイスブック」の創業者マーク・ザッカーバーグ氏(25歳/米国)。純資産額は40億ドル。2004年、ハーバード大学在籍中に大学の寮で「フェイスブック」を立ち上げる。同年、大学を休学し、起業するためにシリコンバレーへ。オンライン決済サービス「ペイパル(Paypal)」の創始者ピーター・シエル氏から得た50万ドル(約4622万5千円)を起業資金として「フェイスブック」の事業規模を拡大させていった。
昨年5月には、ロシアのインターネット関連投資会社「デジタル・スカイ・テクノロジーズ」が、「フェイスブック」の従業員から普通株を購入することを提案。これにより、フェイスブックの企業価値は100億ドル(約9600億円:当時)となった。
2位は、ヘッジファンド「ケンタウルス・エネルギー(Centaurus Energy)」の創設者ジョン・アーノルド氏(36歳/米国)。純資産額はザッカーバーグ氏と同じく40億ドルだが、年齢がザッカーバーグ氏よりも大きいため、最年少億番長者番付では2位という結果になった。アーノルド氏は以前、米国の総合エネルギー企業「エンロン」でトレーダーとして働く。2001年の粉飾決算問題で、同社に調査が入った際、驚くべき事実が明らかになった。2000年、同社の年間利潤は10億ドル(約924億5千万円)。うち、7億5千万ドル(約693億3750万円)がアーノルド氏1人のトレードによるものだったのだ。当時、アーノルド氏は24歳という若さだった。エンロンの破産後、自らの名声を頼りに、米ヒューストンに「ケンタウルス・エネルギー(Centaurus Energy)」を設立した。
3位は楊恵妍氏(28歳/中国)。不動産開発会社「カントリーガーデン(碧桂園)」の創業者・楊国強(ヤン・グオチャン)氏の次女で、同社70%の株を所有する。純資産額は34億ドル(約3143億3千万円)。2008年の23億ドル(約2126億3500万円)からは増加したものの、2007年の162億ドル(約1兆4976億9千万円)と比べると、依然として大幅に縮小している。
4位は、トゥルン=ウント=タクシス家の第12第王子アルベルト・フォン・トゥルン=ウント=タクシス候(26歳/ドイツ)。純資産額は22億ドル(約2033億9千万円)。8歳から世界長者番付に名を連ねる。2001年、18歳の誕生日に遺産を相続、億万長者の仲間入りを果たした。
5位は、レバノンの元首相ラフィーク・ハリーリーの息子ファハド・ハリーリー氏(29歳/レバノン)。純資産額は14億ドル(約1294億3千万円)。父親が作り上げた産業帝国を経営する。事業分野は金融、建築、石油、電信、不動産など多岐に渡る。
6位は、ファハド・ハリーリー氏の実兄エイミン・ハリーリー(31歳/レバノン)氏。純資産額はファハド・ハリーリー氏と同じく14億ドル。現在はサウジアラビアで電信、マスコミ、不動産など家業を経営する。
7位は、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)「グリー(Gree)」の創業者・田中良和氏(33歳/日本)。純資産額は14億ドル。裸一貫で起業し最年少億万長者まで登りつめたのはマーク・ザッカーバーグ氏に次いで2人目。起業による億万長者としてはアジアで最年少。2004年に起業した、携帯電話用のミニゲームを提供するSNSサイト「グリー(Gree)」は毎月100万人の新規ユーザーを獲得している。
8位は、ウクライナのユーリヤ・ティモシェンコ元首相の補佐をしていたコスティアンティン・ゼヴァゴ氏(36歳/ウクライナ)。純資産額は12億ドル(約1109億4千万円)。ウクライナで最も大きい金融機関の大部分の株を所有する。
9位は、中国最大の民間製鉄企業「山西海シン(「金」3つ)鋼鉄グループ」の理事兼社長・李兆会氏(28歳/中国)。純資産額は10億ドル(約924億5千万円)。2003年、李兆会氏はオーストラリアに留学中だったが、山西海シン鋼鉄グループの当時総裁だった、父親の李海倉氏が刺殺されたため、留学を断念して帰国、父親の跡を継いだ。同グループは現在、中国最大の私営鋼鉄メーカーとなっている。
10位は、インド最大の不動産ディベロッパー「DB Realty」の共同経営者の1人シャヒッド・バルワ氏(36歳/インド)。純資産額は10億ドル。同社は高層108階建てのパークハイアット・ムンバイの建設プロジェクトも請け負っている。
「人民網日本語版」2010年3月24日