清華大学美術学院の呉冠英教授とプレゼントを交換する櫻井氏
「まずは絵ですね。手書きを中心にしている繊細さを含めた絵の持っているパワーです。次は世界でよく言われていることですけど、ストーリーとキャラクター描写です。世界のファンが言うには、日本の漫画やアニメは先が読めないそうです。いい人はいい人、悪い人は悪い人というパターンではないので、色々な人間の面が出てくるのです」。
確かに、日本アニメの繊細な画風はコスプレやファッション産業に大きな影響を与えた。漫画やアニメで「かわいい」衣装が細かく描かれ、これが各国の若者がアニメのキャラクターに扮し、コスプレをするもととなった。その影響を受け、「萌え娘」のような言葉も流行るようになった。
また、キャラクターの設定上、手塚治虫の「ブッダ」のように、青春期から成人期までの主人公の成長を描く漫画やアニメも少なくない。「その時期のことを描くと、一番面白い話ができるのではないか」と櫻井さんは分析する。キャラクターのイメージもストーリーの展開につれて成長し、豊かになっていく。
要するに、繊細な画風、先が読めないストーリーやキャラクターといった特徴により、日本の漫画とアニメは日本国内や各国の異なる年齢層の人々に喜ばれ、日本に巨大な経済利益をもたらすばかりでなく、他国との民間交流、国家イメージの向上などの面でも積極的な役割を果たすようになった。
「日本人の参加がまだ少ない」
櫻井氏は海外で日本アニメの人気ぶりを目にしうれしく思う一方で、まだ満足できない点もあるという。それは、世界のアニメイベントに日本人の姿があまり見られないことだ。「これは残念なことだ。日本のアニメを世界に広げるには、日本人の若者がもっと積極的に参加すべき」と櫻井氏は呼びかける。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年3月26日