河北省石家荘の天洋食品工場で働いていた呂月庭容疑者が逮捕されたことで、中日の人たちが注目していた中国製冷凍ギョーザによる中毒事件は、中国の警察の努力によって解決した。事件発生から解決までの2年間、このギョーザ事件は日本への中国食品の輸出、そして中日関係にどの程度、影響を及ぼしたのか。そして事件の解決は日本での中国食品のイメージを回復させるのに役立つのだろうか。「チャイナネット」は2人の専門家に、この事件発生後の中日関係や今後の状況ついて話を聞いた。
「毒ギョーザ事件」の影響は計り知れない
中国社会科学院日本研究所の張季風教授の説明によると、ギョーザ事件発生後の2008年1月から11月まで、中国の魚や肉、それらの加工製品の日本の輸入市場でのシェアは、前年の57%から45%に下がり、貿易額も13%減少したという。そのうえ中国食品への不信感が強まったことから、この損失の大きさは数字では明らかにすることは出来ないと張季風教授は話す。
政治化された「毒ギョーザ」
このギョーザ事件は、日本の世論の声の高まりにより、東中国海のガス田や靖国神社などの問題と並んで、中日首脳会談の主要な話題の一つになった。これについて張季風教授は「日本の食品の6割は輸入に頼っており、輸入食品に問題があれば市民たちが非常に敏感に反応するのは当たり前で、この点は理解できる。しかし一部の右翼はこの問題を口実にして煽り立て、拡大化して政治化した。今の結果を見れば分かるように、ギョーザ事件はあくまでも独立した刑事事件であり、もともと日本を標的にしたものではない」と説明する。
中日友好21世紀委員会の王泰平中国側副秘書長は、今回のようなギョーザ事件といった敏感な問題が発生した場合には、中日双方は協力的な態度で、共に努力するべきだと話す。「特にメディアは、事件解決までは客観的で冷静な態度であるべきで、民族感情の対立を煽るようなことをしてはいけない。中日両国は隣国であり、貿易もこれまでにないほど緊密に行われている。そのためあれこれといった問題は避けられないが、こうした問題を大げさに取り上げる必要はなく、政治化しないことはなおさらのことだ」