日本の流行文化専門家マーク・アース氏は、中国や韓国などをアニメ業界に招き入れたのは日本であると考える。かつて日本が制作段階の一部を国外の下請けに出した際に、現地の従業員に技術研修を行ったが、今になってその研修を受けた彼らが実力を発揮しようとしているのだという見方である。AP通信によると、昨年11月、中国政府の文化部門は中国動漫集団公司を設立し、アニメ制作と販売を推し進める体制を整えている。今年、東京国際アニメフェアの総ブース数は減少したが、中国企業によるブースの規模は二倍に拡大し、実に44のアニメ関連団体が一堂に会した。この規模の大きさに、日本のメディアとアニメ業界も文字どおり圧倒された。
日本と中国がどちらも、アニメブランドを掲げたソフトパワー外交を進めようとするならば、それは必然的に競争を招くだろうとNHKテレビは伝えている。「中国のアニメ文化に日本人はかなり驚いています。今まで、アニメとマンガにかけては日本が世界一で、他のどの国も追随できないとみなが考えていました。でも今回、その優位性は失われつつあることが証明されてしまいました」とは東京国際アニメフェアを取材した日本の記者の言葉である。
日本の文化産業関連会社「BUSIROTO」の黒川文雄副社長は、毎年東京で開かれてきた国際アニメフェアが将来上海や北京に移っていってしまうことを心配している。また別の日本アニメ・マンガ業界関係者は、日本のアニメとマンガには既に60年の歴史があり、これは中国や韓国などの後発には真似のできないものだが、しかし中国のようなライバルを考えるなら、日本としてはやはり協力の道を選ぶのが賢いだろうとの見解を示している。(AP通信)
「中国国際放送局 日本語部」より 2010年4月12日