靖国神社の全体的な雰囲気は、単に美的な見方だと、重々しくて厳粛だ。平日は非常に静かで、ときどき参拝に来る人もいるが、会社員や年配者が多く、女性も少なくない。
正殿
参拝者
参拝方法は、神社の正殿前で手をたたいて3回お辞儀をする。時間にすれば1分もかからない。また見学者の中には中国人も多くいる。参拝者の様子から見ると、祈願は戦争とは関係なく、自分の前途や健康、愛情などのようだ。
日本の政治家が靖国神社を参拝するのは必ず政治的な目的を帯び、神社もA級戦犯とそのいわゆる「勲功」を崇拝している。しかし一般の人たちの参拝は、そのほとんどが個人的な気持ちで、祖先を偲び、出世を祈願しているように思った。
これは結局、宗教の信仰や社会の伝統に由来する。日本の社会では、軍事覇権で大東亜帝国の再建を望む気配は少しもなく、日本が普通の国で、その経済力と国際貢献にふさわしい政治的な地位を備えた国になることを望む人は多い。実際、こういう風に考える人さえ少なく、それよりも穏やかな生活を送ることにより関心があるようだ。
日本に行ったことがある人が、同じように考えるかどうかは分からない。しかし結論を出す前に、できれば現場に行って見たほうがいいと私は思う。
(中国社会科学院米国研究所副研究員 劉衛東)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年4月20日