――上海万博開幕後の日本産業館の運営について、紹介していただけますか。
日本産業館の運営は中国の方たちからご協力いただいて、とてもうまくいっています。私たちのパビリオンはおかげさまでとても人気があって、朝、万博の会場に入ると、真っ先に私たちのパビリオンに来てくださる方もとても多いです。朝、パビリオンのドアを開ける前に、だいたい800人から900人のお客様が並んで入館を待ってくださっています。2時間半から3時間、中国の方たちがとてもきちんと並んでくださって、トラブルだとか、混乱が1つも起きないことが私たちは非常に嬉しいです。
日本産業館の外できちんと並んで入館を待つ中国の観光客たち(繆暁陽 撮影)
日本産業館は大きなパビリオンですが、その安全性を考えると、パビリオンの中に入れる人数というのは制限があります。パビリオンの中に入るのをあきらめようというお客様がたくさんいますので、私たちはパビリオンの中に入らなくても、外から直接お入りいただけるようなお店をいくつか作りました。ですから、パビリオンの中の展示をご覧にいただかなくても、外のお店だとか、レストランにお立ち寄りいただければ、いろいろな商品、食べ物で、「ああ、これは『J-感覚』だ」というのをみなさんに感じていただけるような作りになっています。
今回の上海万博には日本から三つのパビリオンが出展をしています。1つは政府館の日本館です。2つ目は日本の民間セクターを代表してただ1つ参加している私たちの日本産業館です。もう1つは大阪府、大阪市が一緒になって出展した、日本の地方都市を代表するパビリオンの大阪館です。上海万博は中国の方々にとって、国、企業・地方自治体という2つのセクターを理解していただくという意味で、大きな、すばらしい機会だと思います。今回、日本の民間出展、つまり日本の企業や地方自治体が海外の大型博覧会に民間出展するのは歴史上初めてのことなのです。日本の民間企業が中国で行われた万博に出展したことで、中国の人たちの日本に対する理解もより幅の広いものになると同時に、日本の人たちも中国の人たちが日本のどういうところ、日本企業のサービスや考え方にどう喜んでいただけるのか、というのを知ることは、将来、日中関係に大変すばらしい影響を及ぼすと思っています。