日本産業館の料亭「紫 MURASAKI」の懐石料理は、1人3000元(約4万1000円)の高額にもかかわらず、5月と6月の予約はすでにほとんど埋まっている。料理を作るのは、日本の懐石料理で最高レベルの「菊乃井」「たん熊北店」「魚三楼」から派遣された料理人たち。3つの料亭の料理人が一堂に集まるのは上海万博の184日間だけで、日本でも前例がないという。
この料亭を出したのは、しょうゆを製造するキッコーマングループで、上海万博を「食文化の国際交流」をすすめる好機と捉え、料亭の他にも、アイアン・ワークや映像を使っておいしい笑顔が集う食卓を提供する様子を表現している。
キッコーマンは2000年5月に江蘇省の昆山市、2008年10月に河北省の石家荘市にそれぞれ合弁企業を設立。しょうゆ文化圏ではない米国には1960年代、ヨーロッパは70年代に進出し、現地の嗜好にあったレシピを開発して試食販売の方法で販売を拡大してきた。
すでにしょうゆが使われている中国では、欧米と同じようなマーケティング以外にも、消費者に「新しい味との出会い」を提供し、中国のしょうゆとの違いを消費者に理解してもらう工夫をしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年5月11日