ジニ係数が0.5を超えると、富が過度に集中し、社会の安定が危ぶまれるとされている。新華社の二人の研究員は5月、改革開放初期から2007年までに中国のジニ係数は0.28から0.48に上がり、ここ2年でさらに上がり続け、すでに0.5を上回ったという文章を発表した。しかし、北京師範大学所得分配と貧困研究センターの李実教授は29日、北京で開催された「中日労働政策と法律討論会」で、「中国のジニ係数は0.48である。中国の住民所得格差の拡大はスピードダウンの傾向にある」と述べた。
住民所得格差の拡大はスピードダウン
李実教授によると、中国の住民所得格差はまだ拡大し続けているが、スピードダウンの傾向にあるという。世界銀行と北京師範大学所得分配課題グループの各自の統計によると、1982年、中国のジニ係数は0.3だったが、2002年には0.454に達した。この20年間で、ジニ係数は毎年1ポイントのスピードで上昇している。北京師範大学所得分配課題グループが最新データを利用して計算したところ、2007年のジニ係数は約0.47だった。すなわち、2002年から2007年の5年間、中国のジニ係数の上昇は毎年0.4ポイント以下で、1982年から2002年までの20年間より上昇速度は落ちている。
1981年ー2001年、全国所得格差のジニ係数(資料は李実教授が提供)
農業税の廃止により、農村のジニ係数は上昇していない
こうした状況は農村内部にも発生している。国家統計局と北京師範大学所得分配課題グループの統計によると、2002から2007年まで、農村内部のジニ係数は0.37ラインを上下し、大きな上昇はなかった。また、農業税の廃止により、2006年と2007年の農村のジニ係数は2005年よりやや低くなっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年6月30日