ワーキングプア族は、主に正社員並みにフルタイムで働いてもギリギリの生活さえ維持が困難な非正規労働者のことを指す。日本の非正規労働者の問題が、29日に北京で開催された「中日労働政策と法律討論会」でもホットな話題になった。
その現状について、日本厚生労働省・労働政策担当参事官室の中井雅之企画官は、「日本の正規雇用者数は近年減少傾向にある。非正規雇用者(パート、派遣、契約社員等)の割合は雇用者の約3分の1にまで上昇している。なお、2009年は2003年以降で初めて減少した。2009年の派遣労働者は前年の140万人と比べて32万人減少した」と説明した。
労働政策研究・研修機構の統括研究員である浜口桂一郎氏
非正規労働者は1960年代以前からすでに存在していたが、なぜ今になって再び注目されるようになったのか。これについて、労働政策研究・研修機構の統括研究員である浜口桂一郎氏は、「1960年代以後の高度成長期、非正規労働者の大部分は家計補助的な主婦パートタイマーと学生アルバイトで、格差は社会問題とならなかった。だが、1990年代以後の『就職氷河期』に、正社員就職を希望する若者がやむを得ず非正規労働者として就労した。家計維持的な非正規労働者(フルタイムの有期契約労働者、派遣労働者等)が増加したため、『格差』が再び社会問題になった」と歴史的変貌の角度から説明した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年6月30日