トヨタ自動車は5日、「バルブスプリング」と呼ばれるエンジンのばね部品に不具合があるとして、27万台のレクサスとクラウンをリコールすると発表した。これにより、新たなリコール問題が引き起こった。トヨタの広報担当者は6日、同社が2年前からバルブスプリングの不具合を認識していたことを認めた。
トヨタの広報担当者によると、同社は2008年8月、一部の自動車のバルブスプリングに安全上の問題があり、弾力がないためにエンジンが動かなくなったり、最悪の場合は走行中にエンジンが停止する可能性があることに気付いた。
その後、トヨタはそれをもっと細かいスプリングに変え、不具合は解決された。ここから、2008年8月以降に出荷された自動車がなぜリコールの対象にならなかったのかがわかる。
広報担当者によると、トヨタは当初、この不具合だけではリコールの必要はないと考えていたが、後にクレームはどんどん増え、その数はすでに200件に達した。しかし、この不具合によるけがや死亡につながる交通事故はまだ起きていないという。
昨年以降、トヨタは品質問題で世界で850台以上の自動車をリコールした。自動車業界を専門とする遠藤功治シニア・アナリストは6日、AP通信の記者に、「トヨタの複数回のリコールは、トヨタブランドに対する消費者の信頼に影響を及ぼしている。トヨタは過去に品質への重視が不足していたために代価を支払っている」と話した。
また遠藤功治氏は、「トヨタの豪華車であるレクサスの今年の米国での販売は減少するだろう。同クラスのBMWとメルセデス・ベンツにシェア拡大の機会を与えた」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年7月7日