ルイ・シヨホス監督はこれまで、動物の権益について関心を持ち続けてきた。彼の一作目となるドキュメンタリーが、イルカの保護をテーマするものなのは、偶然であり、宿命でもあると言えるだろう。
シヨホス氏は「私はすでに20年以上にわたりベジタリアンだったが、魚を食べていたので厳しく言えば、『半ベジタリアン』だと言えるだろう。ただし、地面を歩く動物は一切食べていなかった。しかし、『ザ・コーヴ』を製作した後、魚も一切食べなくなった。同作品の撮影は私に多くのことを教えてくれた。私は、多くの魚類が食物連鎖の末端に位置することを知った。この映画の撮影開始以来、私の動物への態度はいつも変化し続けてきたと言えるだろう。『半ベジタリアン』だった私が、現在は革のベルトすら使わなくなった。全ての生物への感情が、想像もできなかったレベルへと高まったのだ。彼らの苦境に気づけば、皆さんも私と同じように、つらくて目をそらすことなどできなくなるだろう」と述べる。
ルイ・シヨホスは太地町への訪問を通じて、現地政府がイルカ漁を全く阻止していないことを知る。彼は「日本人は政府と世論の影響を深く受けています。彼らは自分たちの政府を深く信じきっている。しかし、政府は健康に関する基本的な情報を人々に知らせていません。例えば、イルカの肉には他の動物の肉と比べて数倍の毒素が含まれていること、、、。これは政府によって隠蔽された真相の一つです。日本はイルカ漁に対して、まったく無関心な態度をとっている。このような職業が日本でここまで高い収入を得ていることからも、政府内部の腐敗と堕落がどれだけひどいかわかります」と述べる。
ルイ・シヨホスが太地を離れて約1年、日本のイルカ漁への態度は変化した。シヨホス氏は「イルカの肉はかつて、日本の学校給食の一部でしたが、現在は廃止されました。リック・オバリーと海洋保護協会(OPS)は現在、これについての運動を行っています。我々の毒性研究専門家は太地町の役人と接触することに成功しました。現在学校に通っている彼らの子供の体内から、さまざまな中毒反応が見られ、我々の予想が証明されたのです。このため、学校給食にイルカ肉を入れることは基本的に停止されました。このほか、水産業などでも多くの場所で、イルカ肉に関する仕事を受け付けなくなったのです。しかし、それにもかかわらず、イルカの殺戮は止まることがありませんでした。私たちはこの映画を通じて、彼らがどれだけ残忍なことをしているか、多くの人に知ってもらいたい。このような殺戮行為が二度と発生しないことを願っています」と述べる。
「人民網日本語版」2010年7月8日