人民日報海外版が伝えたところによると、アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞作品「ザ・コーヴ」は紆余曲折を経て、7月3日より日本各地の映画館で上映が始まった。同作品は観客に大きい衝撃を与えており、動物保護の話題が再び注目を集めている。これに関して、3人のゲストに集まってもらい、お話を伺った。
ゲスト:
中国法学会環境資源法研究会常務理事、副秘書長 常紀文氏
外交学院国際関係研究所教授、日本研究中心副主任 周永生氏
中国伝媒大学国際関係研究所および、国際伝媒研究中心教授 孫英春氏
質問:ドキュメンタリー映画「ザ・コーヴ」が発表された後、日本太地町でのイルカ虐殺に対し、国際社会から大きな非難の声が上がっています。イルカ漁は日本の文化と言えるのでしょうか?日本人は「自分たちはある意味で、人種差別の被害者だ」という見方を堅持していますが、日本の文化は世界によって曲解されてしまったのでしょうか?
常紀文:どの民族にも独自の文化があります。日本の文化を合理的だとみなすならば、他の国からの叱責は民族差別の疑いがあると言えるでしょう。ただ大切なのは、この地球上では、全ての民族の文化が互いに隔離されているわけではなく、影響を与え合っているという点です。もし、1つの国が、イルカなどの鯨類を大量に殺し、消費したことにより、地域の生態が破壊されるならば、このやり方は狭隘な考えに基づくものであり、正されるべきです。
周永生:客観的に言うと、捕鯨は日本の地方漁業文化の一部分です。文化には良いものと悪いものがあり、「文化」だからというだけで何でも保護するというわけには行きません。アフリカやオーストラリアの一部地域では、過去に部族による食人文化もありました。このような「文化」は保護するべきではないでしょう。
実は、捕鯨は日本民族全体の文化ではなく、沿海の漁業地区の一部、もしくは一部の村落に限られた地方文化です。それに、古代の日本でたとえ捕鯨が行われていたとしても、それは漁民による小規模なものであり、これほど大規模な捕殺ではないはずです。
孫英春:イルカの捕殺は日本の漁民の習慣です。日本は島国であり、漁民がイルカを殺す原因は簡単です。イルカは魚やエビを食べ、彼らと食物の源を直接奪い合っているからです。イルカ漁の問題において、西洋は日本文化を曲解してはいません。日本がこれまでに、近代的な手段を使って、ここまで大規模にイルカを捕殺したことがありましたか?たとえイルカ漁が日本文化だとしても、グローバル化の今日、人類の文化は少しずつ変化し、グレードアップしている段階にあります。保守的で、善悪の理解に欠け、人類の共同利益を破壊するような文化には、将来性がありません。このような文化は怒りと非難、衝突をもたらすだけです。