ある日本の大企業の人事責任者は「現役卒業生は就職後の定着率が高く、人材の養成を施すのにより適している」と言っている。
就職状況の厳しさや企業が「現役」を好む背景の下で、「留年」現象は自然に増加した。しかし一年学籍を保留し、翌年「現役生」として応募しても、その結果、翌年の「現役生」の人数が激増してしまい、就職の競争は更に激烈さを増す事になる。
留年して引き伸ばし策を採るよりは、その時の情勢に柔軟に対応する方法を採ったほうが状況に合っているのではないか。
「大学全入」と「ゆとり教育」が学生の資質低下をもたらした
現在の日本の大学は「全入」時代である。大学受験は早くにもはや「食うか食われるか」「困難な路」などの言葉で形容するものではなくなった。同じく「選ばれ恵まれた存在」のような言い方もされなくなった。大学の敷居が低くなった事でもたらされた否定的な影響は学生の資質の低下である。以前は企業が大学生の採用時に重要視したのはその基礎学力の高さだったが、現在では「大学生」の三文字はもはや「資質の高さ」とは同じではない。
他に、2002年に始まった「ゆとり教育」も多くの批判を受けた。過度に学生の「個性教育」を強調したため、学校側が大量の基礎教育学科内容を減らし、この教育の下で育った学生は競争意識が欠如しており、また競争能力もない。この点で企業は大いに不満であった。ある見方では「大学全入」となり大学入学の敷居は低くなった一方で、卒業して就職する段階に新たな障壁・関門が築かれつつある。「競争はなくなったのではない、延期されたのである」。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年7月27日