インタビュー:日本の「北漂族」前山雄洋さん

インタビュー:日本の「北漂族」前山雄洋さん。

タグ: 日本人 北漂族 前山雄洋 中国

発信時間: 2010-08-11 10:18:40 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

中国でよく聞かれる「北漂族」という言葉は、ほかの省や直轄市からやって来て北京で奮闘している若い人たちのことをいう。まだ活躍のチャンスを探している途中で、すでに就職している人もいるが、住居も戸籍もなく、まだ北京に根を下ろしていない。こうした人たちは学歴もあり文化的な素養も高い。それに技能を持ち、文化や芸術、ハイテク産業の分野で一旗上げようと思っている。改革開放以降は「北漂族」の中から、作家やキャスター、記者、歌手、俳優の周迅や範氷氷、王宝強など、多くの成功者が登場した。

日本から北京に来て自分の夢を追い続ける「北漂族」もいる。前山雄洋さんは、中国で日本の軍人役を演じて活躍している矢野浩二さんに魅かれて2009年5月に中国に来ることを決め、湖南衛星テレビの人気オーディション番組「快楽男声」に参加した。急速に経済成長する中国には、成功のチャンスがあふれていると思われがちだが、言葉などが大きな壁となり、歌手として成功するのはそう簡単なことではない。 (前山雄洋さんのブログはこちらへ)

北京で歌手の夢を追い続ける前山雄洋さん(写真集)

「チャイナネット」は、中国での奮闘ぶりや中日両国の音楽の違い、北京の食べ物などについて前山さんに話を聞いた。

中国に来て困った最初の一週間

――北京に来るきっかけはなんだったのでしょうか。

矢野浩二さんが出演したWOWOWで放送された番組の録画を見たのが大きかったですね。矢野さんの中国での奮闘ぶりを知ってとても感動しました。僕は矢野さんが日本で仕事をされている時のマネージャーさんにとてもお世話になっていたので、そのつながりで自分のCDを矢野さんに聞いてもらったことがあり、そのころからですね、中国に興味を持ち始めたのは。そして中国の音楽も聞くようになりました。

それにカンボジアに一週間、行ったことも大きかったですね。初めての海外経験だったので、いろんなことに感銘を受けました。世界は広いなあって肌で感じたというか。日本とは違う環境で音楽をやるのも面白いのではないかというふうに考えるようになりました。

――「薩頂頂(サー・ディンディン)」の歌を聞いて中国に来たいと思うようになったいう報道もありますが。

「薩頂頂」の歌を聞いたのは中国に来てからです。「薩頂頂」の歌は結構好きですが、順序はちょっと違いますね。

――中国に来た頃の中国語のレベルはどのくらいだったのですか。

「謝謝(ありがとう)」と「初次見面(はじめて)」、自分名前しか言えなかったです。でも空港まで矢野さんの知り合いの任正平さんが迎えてくれた時に、がんばって自分の名前を言ったのですが、発音が悪くて全く通じませんでした。

その任さんとは一緒に住むことになっていたのですが、最初の一週間は一人の生活。その一週間は色んなことが起こりました。ある日、トイレの水が突然出なくなり、どうしようと思って任さんに電話したら、「中水費」がなくなったんだと言うんです。住んでいるところはまず使う前に、トイレに流す水代をまず先にカードで買い、そのお金がなくなると水が止まります。とはいっても中国語はほとんどしゃべれませんから、お金をチャージしに行った時には受付のおじさんと筆談して、それはもう必死で話しましたよ。だってチャージ出来なかったらトイレ使えませんから(笑)。

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