数多くの日本軍人役を演じたことで中国人にもよく知られている矢野浩二さんは、これまでの陰険で武士道精神を持つ日本軍人のイメージと違い、新作映画「東風雨」では全身傷だらけの悲壮な人物を演じる。それはスパイ工作をする中国人と日本人のハーフの成海岸という役だ。
今回の映画出演は彼にとって新たな挑戦だ。ヌード姿で錆びた鉄檻の中に3時間以上も閉じ込められる撮影もあった。より効果を出すため、柳雲竜監督は鉄檻の釘を何度も低く下ろし、矢野さんに圧迫感を与えた。矢野さんは最初から最後まで一言も文句を言わず、現場の人たちはその真面目な態度に感心した。
映画「東風雨」に出演した範氷氷さん(左)と矢野浩二さん
矢野浩二さんは24日に沖縄国際映画祭に参加することになっており、「これを機会に、中国映画『東風雨』をもっとアピールしたい」と話す。日本出身の俳優だが、日本の国際映画祭に参加するのはこれが初めてだという。