言い換えれば、中米関係はコントロール可能な常数で、中日関係は確定できない要素が多い変数のようである。中国と各大国の利益の関連の度合いや重視の程度、安定性において、最もバランスがとれていないのが中日関係だろう。もちろん日本は今、政治の転換期であり、対米政策にも多くの不確定さがある。対中戦略で欠けているのは、その全体の外交が不安定だということで、日米の変動は必ず中日関係にも影響を及ぼす。
しかし中国外交の対米外交ははっきりと位置づけられており、全体的な外交戦略も比較的明確だ。ただ対日外交が部分的に遅れているにすぎない。これを中国外交の「弱腰」だとか「盲点」だという指摘は言い過ぎかもしれないが、こうしたアンバランスを見くびることはできない。
実際に中国の急速な発展は、中日協力の新たなきっかけをもたらし、両国間や多国間の場所での日本と中国との協力は増加している。また東アジア共同体や6カ国協議、金融危機対策、国連改革など、中日の協力の領域は非常に広い。日本は大きな転換期に入り、「脱米国、独立」するために本当の意味で日本を手助けできるのは、政治大国でありこの地域のリーダーである中国だけだ。
50年前に中国は、日本の安保闘争を支持した。世の中は変化しているが、中日間の対米関係には、こうしたわずかなインタラクティブが一貫して存在する。中日の協力の余地は日米より小さいということはない。すべては努力次第だ。
日本は自分より優れている人をねたむ民族ではなく、中国が発展したからといって中国を敵視するようなことはない。それどころか日本の各界は、中国のここ最近の発展に対して、前向きで客観的な態度を示している。中国が米軍に痛撃を与えた1950年代の朝鮮戦争では、多くの日本国民が中国に好意を持った。その時は中日国民の感情が最もいい時期で、その理由は非常に簡単だが、中国が自らの行動で強さを示し、日本への尊重を示したことによる。
日本を重視することは、その場限りの方策だけでなく、中国が自己を認識し、国際視野や全体の発展などを図る指標になる。これは近代国家として中国が、成熟に向かって成長する試金石である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年8月17日