日本の岡田克也外相は22日にインド訪問を終えた。今回の訪問で特に注目されたのは、岡田外相とクリシュナ外相が21日にニューデリーで行った第4回戦略対話での、原子力協定締結についてのやりとりだ。国際世論は、この協定が締結されると、日本からインドへの原子力発電技術・設備の輸出が可能になることに注目している。
■核実験凍結と原子力協力を絡める
報道によると岡田外相はインド訪問前に東京で、インドが核実験を再開した場合、原子力協力も停止すると述べ、この考え方を協定に盛り込みたい意向を表明した。だがインド側はこれに反対している。協定はすぐに正式締結とはいかず、交渉は膠着状態に陥るだろうと現地では見られている。協定は主に原子力技術・設備の輸出に関わるため、軍事転用の禁止や第3国への移転規制が交渉の焦点となる。
インドと日本は6月末に協定締結交渉をスタートさせたが、インドが核拡散防止条約(NPT)に加盟していないことから、日本国内では強い批判が上がっている。岡田外相は調停を通じて世論の理解を得たい考えのようだ。
22日付「タイムズ・オブ・インディア」によると、岡田外相は会談後の記者会見で、日印間のいかなる民生用原子力協力も核不拡散や核軍縮面でのインドの約束と行動にかかっている、との日本政府の立場を重ねて表明。「インドとの原子力協力協定締結交渉のスタートは、外相就任後の10カ月間で最も難しい決定の1つだった」とも述べた。
インド外務省情報筋によると、クリシュナ外相は会談で「インドが他国に強制・要求されて核実験を一時停止することはない。今後も自主決定の原則を堅持する」と表明した。
インドは1974年に初の核実験を実施。今なおNPTへの加盟を拒否し、「包括的核実験禁止条約」にも調印していない。
「人民網日本語版」2010年8月23日