シンガポールの中国語紙「連合早報」によると、東京の有名な観光スポットとなっている、浅草の浅草寺では近ごろ、トイレである張り紙を目にするようになったという。その張り紙とは、遊びに来た中国人観光客に、「使用したトイレットペーパーは水で流してください」と呼びかけるものである。日本ではこのことが話題となり、張り紙が張り出された翌日の19日には、様々なメディアに取り上げられた。中には、トイレ文化の違いを「中日摩擦」に例えて報道しているところもあった。
日本が観光事業を推進し、精力的に中国人観光客の誘致活動を始めた頃から、日本の一部観光スポットの公共トイレの様子が変わってきたという。浅草寺周辺のトイレに置いてあるゴミ箱はいつも使用済みのトイレットペーパーで溢れている。お寺側は後々になってから、それは、中国人観光客が紙をトイレに流さないことが原因であるとわかったのだ。
浅草寺側の関係者はメディアに対して、このように言っている。「トイレの紙問題は昨年くらいから、ますます顕著になってきている。特に、中国の団体ツアー客の一行が訪れたあとによく見られる。始めは、繁体字の張り紙を出していたが、中国で現在ほとんど使われない旧字の為か、ほとんど意味が伝わらなかった。今は、一般的な簡体字で書いた張り紙に張り替えたので、これで改善されることを願っている。」
また、中国の団体ツアー客のお気に入りのスポットである、東京電気街・秋葉原でも同じことが起きている。ある家電量販店では、張り紙でトイレの正しい使い方を呼びかけるだけでなく、トイレ衛生を保つため、清掃員を増やしたそうだ。
公衆衛生に対する両国の意識の違いから生じたこの日中摩擦は、うまく緩和していかなければいけない。「中国観光客がトイレに紙を流さないのは、悪意があるからではない」とあるツアー客はメディアに訴えていた。中国ではトイレに紙を流すと詰まるので、ゴミ箱に捨てる習慣がある。そのため、彼らは、トイレを詰まらせてはいけないと考えて、そのような行動に出るのだそうだ。
しかし、彼はまた、「この「摩擦」はすぐには緩和されないだろう。中国のトイレ事情が日本に追いつくには、少なくともあと20年は必要だ」とも言っていた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年8月23日