中国国家海洋局の関係責任者は6日、中国が北極資源の開発に向け準備を進めているという日本メディアの報道を「全くの事実無根の主観的な憶測」と一蹴した。
観測チーム監督の呉軍氏(右)と首席科学者の余興光氏は8月20日、北極点に到達した
北極点の海水サンプルを採取する観測隊員
中国の北極科学観測隊は先週、北極での第4回科学観測を終えた。日本『読売新聞』は4日、中国は北極の開発に向け着々と準備を進めており、今回の科学観測と並行して資源探査も行った模様だと伝えた。また、中国は北極に基地を建設し必要な資源を獲得しようとしているとも報じている。
中国国家海洋局極地弁公室の王勇処長は『新華社』に対し、「日本メディアの報道内容は全くの主観的な憶測で、事実無根」とし、日本の一部の人は中国の北極での正常な科学観測を経済目的、さらには政治目的とするものだと歪曲していると述べた。
中国は1999年、2003年、2008年に3回の北極科学観測を行っており、今回は4回目となる。
王勇氏によると、中国の北極科学観測の目的は、北極の変化が中国の気候に及ぼす影響を研究することで、完全に自然科学の分野であり、計画にはいかなる資源探査・開発に関する研究も盛り込まれていない。北極で科学観測を行う観測船「雪竜号」にも資源探査を行う技術はないという。