日本相撲協会はこのほど大相撲秋場所の新番付を発表した。野球賭博に関与して名古屋場所を謹慎休場した幕内力士6人全員が十両に陥落。この影響で数人の力士に幕内昇進のチャンスが与えられ、中国出身の蒼国来も入幕した。初の中国人幕内力士となった蒼国来は、「初土俵から7年は長かった。ようやく1つの目標が果たせた」と感慨深げに話した。
中国人力士初の入幕
内蒙古自治区出身の蒼国来。モンゴル相撲やレスリングの経験はあったが、来日してからは体重が増えず苦しんだ。「最初は丼飯1杯も食べられず、無理に押し込んだ」という。絶えず努力を重ね、10場所連続で勝ち越してようやく幕内に昇進。モンゴルの国民的英雄で第68代横綱の朝青龍は蒼国来を「中国人力士の奇跡を起こすかもしれない」と大いに称賛している。モンゴルのメディアも「蒼国来は大相撲の最も上位の階級に入った初の中国人であり、今週末から始まる秋場所で日本の相撲の殿堂で戦う」と評価している。
日本の大相撲の興行は年6回、奇数月に開催される。幕内と十両では1場所で1人15番の取組を行い、ほとんど大入り満員となる。チケットは人民元に換算して300元から3000元、自由席には外国人観光客の姿も目立つ。日本の伝統競技である相撲は多くの外国人をひきつけて止まないのである。
蒼国来は去年の九州場所で勝ち越し、新十両に昇進した。中国人力士の関取昇進は、1974年の清乃華(初の中国人力士。ただし福建省出身の華僑の子どもであり、日本で生まれ育った)以来36年ぶり2人目。そして1年も経たないうちに十両から幕内に昇進し、人々を驚かせた。