国籍を変えずに昇進
蒼国来はこれまで自分の国籍を変えようと考えたことはない。「中国人力士」という呼び方でマスコミから呼ばれるのが好きなのだという。今回の昇進は、スキャンダルまみれの角界を背景に起こったことである。共同通信は、「野球賭博関与で名古屋場所を謹慎休場した幕内力士6人全員が十両に陥落した」と伝えた。
実際、6月中旬から日本の国技である相撲は史上最大の危機に直面している。大関琴光喜の野球賭博関与が明るみになっただけでなく、暴力団との関係も問題になって、相次いで76人の力士や親方が賭博への関与を認めた。このスキャンダルによってNHKは数十年続いていた大相撲の生中継を中止。今回のスキャンダルは角界の上から下へと広がったもので、協会上層部や上位の力士が問題を起こし、相撲を救えるのは数多くの相撲ファンだけである。
こうした状況の中、蒼国来は外国人力士として、自らの努力で幕内に昇進し、ある程度の発言権を得た。これは中国人力士の日本での活躍にとって朗報である。また、信用危機に陥っている角界を救うためにも大きな意義がある。蒼国来は、「ともに努力すれば、相撲には必ず明るい未来があると信じています」と語る。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年9月12日