毎日5食、食事の量は数キロ
蒼国来は身長186センチ、体重130キロ、フルネームは蒼国来栄吉という。12歳のときに両親のもとを離れ、フフホト市でフリースタイル・レスリングを学んだ。日本語をまったく話せない状態で来日したが、いまでは流暢に話す。それに食文化の違いを乗り越えて、体重は入門時から40キロ増えて130キロになった。
「初めは日本食に馴染めず苦労しました。相撲部屋の食卓にはいつも納豆や魚が並んでいたのですが、私の故郷には海がないものですから、海の魚を食べたことがなかったのです。でも、いまはまったく問題ありません。こうした食事に慣れたどころか、大好きになりました」と話す。もちろんいまでも苦手なものはある。「こんにゃくはあまり好きではありません。味がなくて。私たち力士は毎日たくさんの量を食べますが、これは必要なことです。毎日5食以上、チーズ類や果物、牛肉や羊肉、合わせて数キロ食べています」
恋人探しはまだ先
来日して6年余り、26歳になった。まだ恋人はいない。部屋には、良い成績を収めるまで恋愛はお預けという決まりがある。関取に昇進してからは管理が少しゆるくなり、大分自由になった。今度幕内力士になったことで、この方面の締め付けはさらにゆるくなったが、蒼国来本人はまだそのつもりはないと話す。「まだ相撲に専念しなければなりませんから」
注目すべきは、入門してからすべてのエネルギーを相撲で良い成績を上げることに費やしているわけではないことだ。日本各地の福祉施設の訪問にも熱心で、孤独なお年寄りと真心をもって交流し、お年寄りたちに絶大な人気を誇る。日本のメディアはこれについて、「スポーツと公益事業は切り離すことができないもの」と指摘する。人気のあるスポーツ選手は多くの人から崇拝のまなざしを向けられ、あこがれの的となって、その言うこと為すこと、一挙一動が大きな影響を持つ。海外の中国人にとってこれは非常に誇らしいことである。