上海博物館と日本の文化庁が共催した中日文化交流二大特別展が28日から始まった。
奈良・東大寺が所蔵する日本の重要文化財、木造鑑真和尚坐像にとって、今回は数百年ぶりとなる初の中国への「里帰り」となった。中国国内では多くの博物館で唐代・宋代の画家による書画が残されているものが少なくなく、同じく初めて公開され、故宮博物館、遼寧省博物館、上海博物館が収蔵する書画と共に、唐代・宋代・元代の絵画史の多彩な風格の赴きを描き出している。
鑑真和尚は中日文化交流史上、きわめて重要な地位を有する。鑑真は相次いで5回の渡航に失敗、両眼を失明したにもかかわらず度重なる困難を乗り越え、753年に日本に渡り、日本の仏教史に新たな幕開けをもたらした。鑑真の事跡は日本人すべての心に響いている。
今回は同じく中日文化交流の使者である日本人僧・空海の坐像、さらには空海が当時中国から日本に持ち帰ったとされる木造諸尊仏龕も公開された。木造諸尊仏龕は唐代に盛んに作られたが、現代まで残っているものはきわめて少ない。仏龕は日本仏教の聖地である高野山に1200年間にわたり残された。現代では最も保存状態のよい唐代文物のひとつとされ、その精美さは当時の仏龕の中でも最高傑作と称えられている。
「人民網日本語版」2010年9月29日