日本人の氏姓越しに日本の社会文化を見る
多くの農民たちは学問や識字の権利を持たなかったため、いい姓が思い浮かばず、適当につけたり、またはお寺の和尚さんや戸籍管理員につけてもらったりしていた。これらの名前にはストレートなものが多い。
例えば、家の周りが田んぼの農民なら、「田」をもとに田中、田辺、藤田、吉田とつけたり、または野中、藤野とした。
河の近くに住んでいた者には、河辺、河本、渡辺や、川上、川口、川端、川崎などとつけた。
山のふもとに住んでいたなら、戸籍管理員が「山本にしよう!」と言っただろう。このように山上、山中、山下、山口等は、多く使われた姓である。
また、現在の「松下」さんや「松本」さんは、彼らの祖先が住んでいた家が、きっと大きな松の下にあったのだろう。
この他、竹本、竹下、竹内、竹中、多木、芝木等も同じような形でつけられたものである。