商務部が16日に明らかにしたところによると、今年1月から9月までに中国が輸出したレアアースは3万2200万トンで、平均価格は1トンにつき1万4800ドルだった。そのうち日本への輸出は全体の49.8%にあたる1万6000トンで昨年同期の2.67倍となった。米国へは全体の19%の6200トンが輸出され、前年に比べて5.5%の増加だった。
中国は「鉱産資源法」や「対外貿易法」に基づいて、レアアースの採掘や生産、輸出に必要的な制限措置を取っている。商務部の姚堅報道官は制限措置について、主に環境保護のためだと説明し、「中国が取った輸出割当の制限措置は、世界貿易機関の規則に則ったもので、採掘や生産、輸出の3段階で同時に実施する」と述べた。
2010年のレアアースの採掘量は前年に比べて25%減り、生産計画は23%、輸出割当は39%減少した。また輸出に際しては関税が15%から25%引き上げられ、レアアースの原鉱と41種類のレアアース製品が加工貿易禁止リストに加わった。その他にもレアアース輸出業者の資格管理が強化され、輸出資格がある企業は10社の外資系企業を含む32社だ。商務部は今月10日に来年のレアアースの輸出割当の申請条件や申請手続きの公告を発表したが、関連の規定は今年とほぼ同じである。
姚堅報道官は、中国の経済発展のレベルは立ち遅れており、初期のレアアースの生産や加工、管理は規範に合わず、加工技術のレベルの低さは多くの環境問題を引き起こしていると述べ、中国のレアアースの埋蔵量は世界の3割だが、輸出量は世界の9割以上を占めており、多くの国がレアアース資源を備蓄していると指摘した。
そして「こうした背景の中では、禁輸措置ではなく国際協力を強化し、環境保全の分野で協力を展開するよう願っている。中国がレアアースを輸出しないことはなく、発展とウィンウィンの中で他の国と協力する。中国が取った輸出制限措置は、国際規則やWTOの規則に合致したものであり、生産、製造プロセスでの措置も法的根拠がある」と述べ、以下のように続けた。
「レアアース資源がある国も積極的に自国の資源を開発して利用し、共に世界のレアアース供給の責任を担うよう望んでいる。また中国は、レアアースに代わる資源の開発や、レアアース資源の利用率の向上面で各国と協力し、採掘、生産、加工でのエコ技術を向上させていきたい」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年11月17日