文=日本関係の専門家・王錦思
2010年12月13日は南京大虐殺73周年に当たり、南京では犠牲になった30万人の同胞を追悼するキャンドルのイベントや集会などのさまざまな平和活動が行われている。昨年8月6日の広島被爆64周年で、日本は原爆死没者追悼式・平和祈念式典を行い、麻生太郎前首相が就任後初めて同式典に出席した。これと比べると、南京大虐殺の追悼イベント、研究調査、国際影響力は遠く及ばず、深く考えさせられる。
第二次世界大戦で被害を受けた多くの都市では大きな変化があった。中でも被害が深刻だった中国の南京と日本の広島はともに戦争の被害を深く心に刻んでいるが、実際の行動には大きな違いがある。
広島の記念活動は戦争が終わった翌年に始まったが、南京の記念活動は1985年にやっと始まり、記念館が建てられた。ほぼ2世代の中国人が歴史上の悲惨な出来事である南京大虐殺を知らず、今になってやっと知られるようになったが、その詳細はよくわかっていない。
日本の首相は、東京から2000キロあまり離れた広島と長崎で行われる記念式典に毎年出席するが、これまでに南京大虐殺の記念活動に出席した最高指導者は南京市市長である。
南京は当時の「大虐殺」の遺跡をほとんど残していないが、広島は原爆落下中心地の近くの建造物を残し、それらを中心に広島世界平和記念資料館を建設した。