さらに犠牲者の統計を見ると、これまでに発表されている公式データでは南京大虐殺は犠牲者36万人以上と万単位ですらそれほど正確でなく、南京大虐殺記念館の犠牲者名簿壁には一部の犠牲者の名前しか刻まれていない。一方、2001年8月6日に発表された広島での原爆犠牲者は22万1893人で、犠牲者全員の名前が広島平和記念公園の中に刻まれている。2009年にはさらに死没者5635人が確認され、名簿が原爆死没者慰霊碑に納められた。
記念活動の参加人数を見ると、南京大虐殺の記念式典参加者は約2000人、最多でも1万人以下で、南京市の人口のわずか2800から560分の1だが、毎年清明節になると200万人あまりの市民が参拝に訪れる。1985年から97年までに南京大虐殺記念館を訪れた人は580万人、年間平均は58万人以下となっている。一方広島では、人口の21分の1を占める約5万人が毎年記念活動に参加し、広島平和記念公園と広島平和記念資料館を訪れる人は年間150万人に達する。
南京は長期にわたって、南京大虐殺に関する広報活動や研究を十分に行わず、世界には南京大虐殺が何か知らない人がまだ多くいる。ところが、広島が原爆を受けた都市であることは世界でよく知られ、世界文化遺産にも登録されている。
日本人は広島が原爆を受けたことを広めることで加害者から被害者になり、世界からは被害者だと見られている。日本政府は年々増え続ける犠牲者への援助を強化し、世界の核兵器撲滅運動をリードしている。南京大虐殺の広報や記念活動がまだ不足していることは火を見るよりも明らかだ。このような無念や不安は憎しみによるものでなく、人類の普遍的価値観の回帰と精神の絶え間ない進歩によるものである。
「中国網日本語版(チャイナット)」 2010年12月13日