「蚊帳文化」の中の日本の流行メイク

「蚊帳文化」の中の日本の流行メイク。 もともと日本には「蚊帳」にたとえられる小さなコミュニティが無数あり、自分が属するコミュニティの中では人目を気にするが、それ以外はあまり気にならないという特徴がある。何かが「蚊帳」の中で流行ると、その流行は驚異的な速さで広がり、共感する「蚊帳」同士が集まってひとつの流行を作り出していくという…

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発信時間: 2010-12-29 13:56:52 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

カネボウ化粧品美容研究所が東京、上海、北京、台北、ソウルなど東アジアの女性にを対象に行ったライフスタイル調査の結果が今月14日に東京で発表されたが、それによると、東アジアの女性に比べれば、「おしゃれで、かわいくありたい」「表面的なことを重視している」「対人関係を意識し、人にどう見られるか気にしている」といった東京女性の独自性が見えてきた。なぜこのような独自性が出てきたのか、それに対して中国のファッション流行の特徴は何か、日本化粧品メーカーとしてカネボウがいかに中国で展開するだろうか、これらの疑問を抱きながら、「チャイナネット」はカネボウ化粧品美容研究所の野々村榮所長に話を聞いた。

日本のファッションの流行の背景には「蚊帳文化」がある

調査で浮かび上がった「やさしく、ソフトな印象で人目を気にする」東京女性の特徴は、「蚊帳文化」につながっていると野々村榮所長が分析する。

野々村榮所長によると、もともと日本には、蚊帳にたとえられる小さなコミュニティが無数にあり、自分の属するコミュニティ内において、人目は気にするが、それ以外の人目はあまり気にならないという特徴があった。何かが蚊帳の中で流行ると、その流行が驚異的な速さで膨らみ、共感する蚊帳同士が集合し、ひとつの流行を作っていく。

また、戦後日本、特に東京では、その蚊帳の集合が大きく成長し、社会全体を包み込むように至った。1990年代前半までは、マスメディアの影響で何度も繰り返し、取り上げられ、ミニスカート、ワンレン&ボディコンや落ちない口紅など、日本で大流行が巻き起こった。それ以降の1990年半ば以降の日本は、新たな小さな「蚊帳」の時代と言える。この時期は茶髪、日焼け肌、ルーズソックスに代表されるコギャルと呼ばれた女子高生スタイルが爆発的に流行した時代だ。この流行は、もともと彼女たちのフィールドである渋谷などのストリートという小さな蚊帳から生まれ、口コミで一気に広がっていった。

「この『蚊帳文化』がある限り、今回の調査結果にあらわれた‘ソフトな印象で人目を気にする’傾向にある一方で、日本は独自のトレンドを生み出すパワーも続いていくと考えます」と野々村榮所長が指摘した。

「中国のファッション流行は日本型よりも欧米型」

日本のファッションやメイクの流行が誕生してきた背景には、常に「蚊帳文化」が存在していると言えるが、中国のファッションの流行の発生のメカニズムは?と聞かれると、50回以上も仕事で中国に行ったことのある野々村所長は、「あまり見えてこない」と答えた。

「北京や上海を必ず定点観測のように見ていますが、日本のような一つのまとまった流行、はっきり見える流行というのはあまり見えてこない。日本のように、街に出たら、少し眺めてみると、大体みんなはこういうものを同じように着ているな、という流行性が見えてこないのです。すなわち、それは日本型ではなくて、欧米型の流行形態を持っているように見えてしまいます」と話す。

また、いわゆる欧米型について、「欧米の人たちは日本人よりも古くからメイクアップ化粧品を使っていますし、種類も豊富です。でも、生活の中での化粧の役割や使い方は日本と少し違います。欧州のほうは化粧が必要に応じてする、いつでもするのではない。素顔でいい日は素顔でいいのです。社会がその素顔を認めているからです。しかし、日本はどちらかと言うと、多くの人の前に素顔でいること自体が失礼だったりして、これは社会が求めていることですね。そういう関係があって日本ではほとんどの人は毎日のように化粧しているという文化が育っています。欧米の文化はそうではないのです」とさらに説明する。

中国女性の今後の化粧意識について、「これから、北京、上海など、中国の都市では、人々がどんどん化粧していくようになりますけど、化粧する人が増えていても毎日化粧するようになるか、必要なときだけやろうとする文化になるか、まだこれから先見ないと分からないのです」と指摘した上で、「もし日本のように毎日化粧するようになれば、私たちは嬉しいです」と冗談半分に語った。

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