資料写真:2007年度の中国大陸部の億万長者たち
日本のメディアではよく、「中国富裕層・中国セレブ」という言葉を聞く。日本人は中国の観光客が皆、「裕福」だと思っているのだろうか。日本で正式に中国人の個人観光が解禁され、メディアには「ようこそ日本へ、中国セレブのみなさん」という文字が踊る。
北京と上海からの最初の観光客19名が成田空港に到着し、到着ロビーの「ようこそ!中国個人観光客初来日!」の文字と共に熱烈な歓迎セレモニーが開かれた。花を贈られ、メディアに囲まれた中国観光客は、正に「VIP扱い」だ。
その同じ日、天津からは1000人もの「中国富裕層」が福岡市の博多港に入港した。報道によると、「セレブ」たちは船を降りるなり、血気盛んに天神のショッピングエリアへと足を運んだと言う。この様子に販売店の人々はホクホク顔で、今後、中国個人観光客が大きな経済効果をもたらしてくれることを期待している。
日本の小売企業は「中国富裕層」のお眼鏡に適おうと必死である。多くの商店では、中国観光客が銀聯カードで買物できるサービスを提供している。日本観光社は、日本の高度な医療技術を利用した目新しいツアーを用意している。その名も「がん検診特別ツアー」で、健康に気を遣うセレブたちの注目を集めている。売上げが伸びない大型デパートも中国セレブたちを頼りにしている。高島屋デパートは中国の観光会社と直接提携し、顧客を手に入れようとしている。
「中国富裕層」のご機嫌を取っているのは観光業界だけではない。近年、多くの食品や日用品も中国市場に進出しており、どの商品も「中国富裕層」向けである事は明らかである。有名なオムツメーカーのユニチャームは7月から上海、北京、広州などの大都市で大人用パンツタイプの紙オムツの販売を展開しており、中国富裕層を対象に売り込んでいる。