文=エコノミスト 王興康
日本政府は去年12月28日、中国製品の400品目の輸入関税を引き上げることを決めた。日本政府の方針に基づくと、中国から輸入する製品のうち、「特恵関税制度」の対象外の製品は13品目から約450品目に大幅に増加する。これには日用品や衣類、農産品などが含まれる。日本政府は年初めの通常国会に関税暫定措置法の改正案を提出する計画で、4月1日の施行を目指している。「鳳凰網財経」が伝えた。
消費者は生活の中で、例えばりんごを買う際は価格を見て、商品に対する評価を考慮し、価値があると思えば買う。心の中で思う価値と価格が同じになったと同時に、買う量も決まる。
関税が引き上げられたということは、りんごの価格が上がったということだ。価格が上がれば、需要は下がる。消費者はりんごを多く買い、味わうことができ、生産者は多く売り、利益を得ることができたのに、関税が引き上げられたことで消費者と生産者の利益は減った。しかも、消費者と生産者の損失は政府が受け取る関税より多い。
以上のことは、静態の角度から見た関税だ。動態の角度から見ると、需要が減り、市場範囲が縮小し、企業はスケールメリットを発揮できず、分担を専門的に分けられず、それにより生産コストは上がり、生産効率は低下する。
自動車生産で見てみると、十分な需要があり、市場範囲が非常に大きいとき、現代的なライン生産方式を用い、スケールメリットを発揮し、生産コストを下げることができる。市場範囲が小さいとき、例えば1カ月に1台しか生産できない場合はライン生産方式を用いることができず、生産コストは大幅に上がる。
関税は輸出国の企業と輸入国の消費に影響を与えると同時に、輸入国の企業の競争力を低下させる。短期的に見れば、企業は競争力が低いため、商品の価格を上げて利益を得ようとする。
ところが長期的に見れば、輸入企業にとってもメリットはない。温室の中で育った花に強い抵抗力と成長力がないのと同じで、関税に守られてきた企業は国外の企業と同じ環境で戦うことができず、競争力も技術革新や管理改善の原動力もない。
一国の財産は企業が生み出すもので、競争力のある企業があってはじめてより多くの財産を生み出すことができる。日本政府の関税引き上げというやり方は、「中国が日本を越え世界2位の経済国になる」ことを妨害できないだけでなく、自国の企業の競争力を弱めると同時に、一方が没落し一方が繁栄し、中国による追い越しを助け、差を広げることにもなる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年1月4日