中国人民外交学会と日本世界平和研究所とが共催した「第4回中日関係討論会」は11日に北京で開催された。前国務委員、第5回日中友好21世紀委員会中国側座長、中国人民外交学会の高級顧問唐家璇氏は開幕式で「中日の戦略的互恵関係推進を確固不動の方針とする」と題した基調講演を行った。彼はその講演の中で、中日両国はともに発展及び変化の重要な時期にあり、国際地域情勢が大きな調整や変革を迎えていることで、中日関係は得がたい歴史的チャンスに見舞われると指摘した。
中国の発展がもたらすチャンス
今年は中国の第12次五カ年計画の初めの年である。「十二・五」期間は中国小康社会(ややゆとりある社会)の全面的建設のための肝要な時期であり、改革開放を深化し、経済発展モデル転換を加速させる正念場の時期でもある。日本でも、新しい経済成長戦略が打ち出されている。中日両国は、ともに経済構造を調整し、後進的産業を淘汰し、新興産業を発展させ、国内需要を掘り起こすことを努力目標にしている。両国の経済発展戦略には多くの共通点が存在し、双方の経済貿易における協力レベルを引き上げる上で有利な条件となっている。特に、中国は資源節約型及び環境エコ型社会の発展に力を入れており、今後5年間で、クリーンエネルギー及び循環型、低炭素経済を大きく発展させようとしている。日本は、この分野において成熟した技術と豊富な経験を持っており、潜在的協力空間は非常に大きいと言える。また、中国の発展は日本の対中投資に新たな空間を提供するとともに、実力を持つ中国企業の日本進出をも促進する。これが日本経済に新たな活力を注ぐことになると信じている。
アジア一体化のプロセスがもたらすチャンス
目下、アジア地域協力及び一体化は飛躍的な発展を遂げており、本地域の様相を大きく変えつつある。アジア諸国とその国の人々は、これまでで最も密接な関係をもち、運命共同体となっている。中日韓は順調に協力を推し進め、三国とASEAN間の「10+1」自由貿易区が次々に設立され、中日両国がその推進に力を入れている東アジア金融、食料安全等も大きな進展を遂げ、中日両国がともに参加した「10+3」や東アジアサミットも新しい発展時期に来ている。アジアの台頭と地域一体化の流れの中で、中日両国の利益融合はますます拡大し、協力の空間も広がっている。
国際情勢の変遷がもたらすチャンス
世界の多極化、経済グローバル化が進む中、世界共通の課題が増加している。中日両国はともに世界に対して重要な影響力を持つ主な経済体として、世界経済の整備や国際的な重要課題の中でその力を発揮することができる。両国はポスト金融危機時代への挑戦、貿易保護主義への対抗、資源エネルギー問題の解決、防災減災や反テロ、海賊取締り等の方面で幅広い共通利益を有している。これらは、中日両国が国際的課題への取り組みにおける協力体制を強化し、その戦略的互恵関係の内包を充実させる上での有利な条件となっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年1月12日